新型コロナウイルスの「第5波」は、園児らにも及んでいる。愛媛では、9月だけで100人を超える未就学児の感染を確認。
感染対策に苦悩しながらも、親に寄り添う保育の現場を取材した。

密を避けるのは難しい…保育現場での感染対策とは

松山市北土居にあるエルパティオ保育園。
通っているのは、0~2歳の子どもたち26人。

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保育士:
お片付けの時には、消毒してからしまうようにしています

ひと際、気を使っている新型コロナの感染対策。ドアノブやおもちゃなどは、その都度 消毒。部屋の換気や1日3回の体温測定など、欠かさず取り組んでいる。
しかし、幼い子どもたちを預かる保育の現場で、密を避けるには限界がある。

午後3時半のおやつの時間。
第5波以前は、自由に好きな席に座って食べていたが、今は一人一人「決まった席」に座ることにした。仮に園内で感染が確認された場合、「誰と誰が濃厚接触にあたるか」などをすぐに把握できるようにするためだ。

また、松山市の指導のもと、保育士が子どもと一緒に給食を食べることもやめた。

橋本利恵アナウンサー:
先生方はお昼はどのように食べている?

保育士・西岡佳奈子さん:
部屋の方で子どもたちがみんないる中で、マスクを外すリスクがあるので、子どもたちの部屋には誰か先生が入って、かわりばんこで、こちらで順番にご飯を食べてます

「預ける不安もあるけど、生活もある…」

保育士の戸田里名さん。1歳6カ月になる子どもは自身が働くエルパティオ保育園に通っている。

さらに、小学生と別の幼稚園に通う2人の子どももいて、仕事が終わるまで児童クラブや幼稚園に預けている。

エルパティオ保育園 保育士・戸田里名さん:
預けるうえでの不安もありますけど、生活もありますし…

松山市は9月26日まで、保育園や幼稚園を利用する保護者に対して、家庭での保育が可能な場合、登園の自粛を呼びかけている。

しかし、母であり保育士でもある戸田さんは、「登園自粛」の要請には複雑な思い。

エルパティオ保育園 保育士・戸田里名さん:
自分も子どもを預けて働いているので、母親の気持ちもわかるし、保育士として感染への不安もありますし、どっちもどっちで複雑です

午後4時ごろ、お迎えの時間。
インターホンを押すと、迎えの保護者はドアの前で待機。中に入ることはできない。これも感染対策のひとつ。

子どもの感染が目立つ第5波の中、先生と母親の会話など、保育園に子どもを預けて働く母親たちも、それぞれ葛藤を抱えている。

子どもを預ける母親:
一番安全なのは自宅で過ごすことだと思ってるんですけど、そこがどうしてもできないので葛藤というか、保育園のみなさんに対して申し訳ないなという気持ち、そういう気持ちもあります

子どもを預ける母親:
ちっちゃい子に感染してきてるっていうのが不安なんですけど、働くのをやめるわけにもいかないので、感染対策をしっかりした中で預けているっていうところです

「お母さんが安心して任せていただけるように」

この保育園では感染対策を徹底して、子どもたちの保育を続けている。

エルパティオ保育園 統括施設管理長・川崎暁子さん:
なるべくだったらお母さんが安心して任せていただけるように、なかなか(お母さんたちと)接触する時間は短くなっているんですけども、その分、ノートだったり、いろんな声かけをして、寄り添って保育にあたらせていただいています

愛媛県内の保育の現場には、悩みながらも母親たちに寄り添う姿があった。

(テレビ愛媛)

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