9月21日、秋の交通安全運動が始まった。宮城県警が安全運動期間中の重点課題の1つに挙げているのが「薄暮の運転」。

薄暮とは日没前後の時間帯を指し、今の時期だとだいたい午後4時から午後6時くらい。

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その時間帯に発生した死亡事故は、過去5年の累計を見ると9月ごろから増加傾向にあり、一方、夏場は低い水準で推移していることが分かる。

なぜ薄暮の時間帯に死亡事故が多くなるのか?民間の事故調査会社、日本交通事故調査機構の佐々木尋貴さんに伺った。

薄暮の時間帯に人と車が混在する時間が集中

日本交通事故調査機構 佐々木尋貴 代表取締役:
日中に比べて薄暮、いわゆる日没の前後一時間ぐらい、薄暗くなった時間帯というのは、非常に視界が悪くなる、見えにくくなる時間帯と言われている

さらに佐々木さんが指摘するのは、これからの時期、薄暮の時間帯と学校・買い物帰りの人々が出歩く時間が重なるということ。

日本交通事故調査機構 佐々木尋貴 代表取締役:
人と車が混在する時間が、秋から冬は薄暮時間帯に集中してしまうことが、交通事故が多くなる要因になっている

速度を落とし早めにライトを点灯

具体的にどんなシチュエーションに危険が潜むのか。佐々木さんに車に同乗してもらった。

日本交通事故調査機構 佐々木尋貴 代表取締役:
例えば、この道路だと右手に小学校の出入り口の門があって、左手には民家の出入り口が迫っている

右に小学校、左に住宅があるこの場所では、両側から人が出てくる可能性がある。薄暮の時間は、人が出てきたのに気づくのが遅れてしまう危険があるという。

日本交通事故調査機構 佐々木尋貴 代表取締役:
明るければしっかり見えるところも、薄暗くなってしまうと見落としが多くなる。見えないわけではないが、見落としてしまう可能性が多くなる

では、薄暮の時間帯に事故を起こさないために、ドライバーができる対策はどのようなものがあるのか?

日本交通事故調査機構 佐々木尋貴 代表取締役:
視界が悪くなってくるので、速度を落として早めにライトを点灯すること。暗くなってからつけるのではなく、暗くなる前から早めに点灯

一方、歩行者については明るい色の服を着て外に出る。または、反射板などきらきら光るようなものを身につけ、自分の存在を車側に伝えることが必要だという。

(仙台放送)

仙台放送
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