新型コロナウイルスに感染したが入院せず、自宅で療養中の人がいる。どのようにして病状が管理されているのか。そして、どのような治療が行われているのかを取材した。

症状に変化はないか、電話で細やかな経過観察

札幌市保健所の自宅療養班の看護師が、自宅療養者に「保健所看護師です」と呼びかける。

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自宅療養者がホームページに打ち込んだ体温や健康状態をもとに、電話で経過観察を行っているのだ。

札幌市保健所 宿泊・自宅療養担当課長 斉藤そのみさん:
動いたとき息苦しくないか、せきはどうかなど聞き取りをして、熱が出たら薬はどうしているかなど、症状に合わせて健康状態全般の相談に乗っています

札幌市では新型コロナウイルス陽性者のうち無症状や軽症と診断され、保健所が可能と判断した人は自宅療養が行われている。

その数は9月12日現在で378人。2021年5月の第4波の際には最高で約1500人を数えた。

札幌市内の病院などから派遣された看護師が業務にあたっているが、ピーク時には1500人を40人の看護師で対応しなければならなかった。

そんな中、看護師たちの励みとなっているのが…。

札幌市保健所 斉藤そのみ 宿泊・自宅療養担当課長:
使ったパルスオキシメーターを返却する際、一言添えて送り返してくれる人もいる

保健所の壁には、回復した人からの感謝の言葉をつづった手紙が一面に張られている。その言葉を胸に、きょうも自宅療養者への支援が続く。

自宅で重症化し取り残されることのないように…

栄町ファミリークリニック 中川貴史 院長:
ここに新型コロナ患者の自宅に行くときに必要な物品を入れています

自宅療養者への訪問診療を行う、札幌市東区の「栄町ファミリークリニック」の中川貴史院長。

札幌市保健所からの要請を受け電話で診察。酸素投与など医療的な措置が必要な場合、患者のもとへ向かう。

中川医師が訪問診療に携わったのは第4波のさなか、2021年5月から。自身のクリニックの診療も行いながら、多い時には1日3件を回ることもあった。

栄町ファミリークリニック 中川貴史 院長:
感染症が拡大していること、そして患者がみるみる重症化していることは、災害と同じなんですよね。そこで取り残されてしまっている人は、本当に大変な思いをするわけですよね

ピーク時から減ってはいるものの、まだ多くの自宅療養者が存在する。緊急事態宣言が解除されても、いつ再拡大するか不安はつきまとう。第6波に備え、支援体制の充実が必要だ。

(北海道文化放送)

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