仙台放送では、東日本大震災の月命日にあたる毎月11日に、震災で大切な人を亡くされた方に話を伺い、その想いを伝えている。
今回は、津波で当時5歳の娘を亡くした宮城・亘理町の高橋ひろみさん。

みんなを笑顔にするのが大好きな子

宮城・亘理町に住む高橋ひろみさん(56)。毎月11日は墓参りに訪れる。

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高橋ひろみさん:
これはひなちゃんの大好きなプリンとママドールです。意外にごま最中も好きです

当時5歳だった、娘のひな乃ちゃん。

高橋ひろみさん:
夏が終わって段々空気も冷たくなってきたので、さみしい思いとか苦しい思いとか、体感温度で思い起こすことがあって、辛くなってくる時期なので、見守ってねとお祈りしました。

高橋ひろみさん:
みんなを笑顔にするのが大好きな子で、誰かを笑わせようという作戦を、いつもひとりで練って、ひとりで笑っているような子でした

2011年3月11日、ひな乃ちゃんが乗っていた幼稚園バスは津波にのまれた。震災から10日後、遺体安置所での再会だった。

高橋ひろみさん:
やっぱり亡くなったんだなという思いはありましたけど、がれきの中で誰にも見つけられずにいることは耐えられないことだったので、見つかってよかった。抱きしめてあげたかったけど、遺体が傷みますって言われて、唇を触るしかできなくて

全国の幼稚園に「ビッグスマイル」を届ける

失意の中にいた高橋さんに大学時代の友人から送られてきたもの。それは「ヒマワリの種」。ヒマワリの品種は「ビッグスマイル」。

「ひな乃ちゃんみたいに、みんなを笑顔にしてくれる花が咲く」

そんな思いが込められていた。高橋さんは、ひな乃ちゃんが通っていた幼稚園の園児たちとヒマワリを育てた。

高橋ひろみさん:
津波にあって笑顔も無くなって、どうすればいいか分からない子どもたちも、ヒマワリの種を震災で亡くなった子たちに重ね合わせて育てることで、子供たちもどんどん元気になってきて

ひとりでも多くの人に、ひな乃ちゃんのような笑顔になってほしい。そして、悲劇を繰り返さないために。

高橋さんは、「ビッグスマイル」の種に防災のメッセージを添えて送るプロジェクトを震災の年の夏から始めた。これまでに約1万6000セットを全国の幼稚園などに送った。

高橋ひろみさん:
「笑顔広がれプロジェクト」の活動は、最終的にひなちゃんが笑顔になるように、ひなちゃんを笑顔にするためにやっている。ひなちゃんは何で笑顔になるかなというと、みんなが笑顔になると、ひな乃も笑顔になるという思いで続けている

東日本大震災の発生から10年半。ひな乃ちゃんの笑顔をひまわりに込めて…。

(仙台放送)