14歳の山田選手が抱く2つの夢

13日間メダルラッシュが続いた、東京パラリンピックも閉幕。

日本中を感動と熱狂の渦に巻き込んだメダリストたちが、萩生田光一文科相、室伏広治スポーツ庁長官らと面会した。

面会に訪れたのは、出場全種目でメダルを獲得した鈴木孝幸選手、史上最年少でのメダル獲得となった山田美幸選手、全盲アスリート・木村敬一選手ら水泳の選手をはじめ、パラリンピックで初めて採用されたバドミントンで初代女王となった里見紗李奈選手、1日で金と銅2つのメダルを手にした梶原大暉選手、陸上で2冠を達成した佐藤友祈選手、最終日にメダルを獲得したばかりのマラソン道下美里選手、最年長メダリストとなったトライアスロン杉浦佳子選手の8名。

パラリンピックメダリストが勢ぞろいし萩生田文科相、室伏長官らと記念撮影
パラリンピックメダリストが勢ぞろいし萩生田文科相、室伏長官らと記念撮影
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豪華なメダリストたちを迎えた萩生田文科相は、それぞれの選手ひとりひとりに労いの言葉と質問を重ねた。

もう一つの夢を"外交官"と話していた14歳の山田美幸選手へは、文部科学大臣として熱のこもったメッセージを送った。

萩生田文科相:
将来は外交官を目指したいということで。外務省には「山田さんは外交官希望だ」とちゃんと言っておきましたので、ぜひ目指していただきたいと思います。パリ大会の頃は受験もあると言っていたけれど、あれから心境は変わりましたか。

この言葉を受け山田選手は笑顔を見せ、3年後、大学受験を控えた時期に迎えるパリ大会について、確固たる将来のビジョンをもちつつも、謙虚な言葉を紡ぎ大臣の質問に応えた。

山田美幸選手:
パリ大会には出たいですけど、やはり私は進学がしたいので…今理想としているのは両立ができてパリにも出て、進学もできたらなと思います。難しいというのは重々承知なのですけれど。

萩生田文科相の言葉に応える山田選手
萩生田文科相の言葉に応える山田選手

パリ大会前に高校、大学と2度の受験を控える14歳の山田選手。

泳ぎだけでなくその受け答えからもにじみ出る人柄で、多くの人を魅了した。今後の2つの夢についても注目したい。

室伏長官が見せた 選手たちへの“おもてなし”

そして、この面会中に目を引いたのが、室伏長官のパラリンピック選手らに対する大きなおもてなしの心だった。

面会後の記念撮影の際には、全盲の木村敬一選手をすぐさまサポート。さらに、職員ら20名ほどが選手ひとりひとりをお見送りする際にも一言。

「見えない人のためにも声でもお見送りしようよ」と職員へ呼びかけていた。

木村選手、鈴木選手らをお見送りをする職員らと室伏長官
木村選手、鈴木選手らをお見送りをする職員らと室伏長官

手作りの横断幕に込められた「ありがとう」のメッセージは、しっかりと伝わったはずだ。パラリンピックを終えた東京で、こうした輪が広がっていく。

(報道スポーツ部 斉藤葵)

斉藤葵
斉藤葵