8月29日、愛知県常滑市でヒップホップ系の音楽イベントが開催されました。

全国から1万人近いファンが集まり、ステージ前には大声を上げる観客が密集。ソーシャルディスタンスは保たれていない印象です。さらに、会場内ではビールなどのアルコールの提供も行われていたといいます。

連日多くの新型コロナウイルスの感染者が出る中、緊急事態宣言が出ている愛知県でのこのイベントの状況に非難の声があがりました。

その一方で、ファンと共に感染症対策を徹底した上で、ライブを実践したアーティストが話題になっています。そこで「めざまし8」は、そのアーティストを取材。

どんな工夫が凝らされていたのでしょうか?

“座ったままヘッドバンギング”で「安心して楽しめる」ライブを実現

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これは2021年5月、千葉県の商業施設で行われた、ビジュアル系ロックバンド「0.1gの誤算」のライブ映像。

お客さんは音楽に合わせて激しく頭を振っていますが、立ち上がったりステージに近づく様子はありません。大きな声を上げることもなく、お互いに距離を保った状態で席につき、ライブを楽しんでいます。

「イスに座ったまま跳べ!イスに座ったまま跳べ!」

ボーカルも、“距離を保って楽しむ”ことを前提にお客さんを盛り上げています。

1000人規模の会場ではあるものの、入場を60人に制限し、バンドとお客さんが互いの距離を守って行われたライブ。ボーカルの緑川さんに話を聞きました。

「0.1gの誤算」ボーカル 緑川裕宇さん:
お客さんも笑顔になれるし、やってよかったねって感じですね。(コロナ禍で)ライブに行くのが怖いっていう人も、今回は安心して楽しめたという声とか、こういうライブだったらこれからも行きたいみたいな声とか、結構もらいました

さらに、コロナ禍でのライブの楽しみ方を見いだした一方で、感染対策が徹底されていないイベントについては、苦言を呈しました。

「0.1gの誤算」ボーカル 緑川裕宇さん:
“はっちゃけたい気持ち”というのは、自分もバンドをやっているのですごく分かるんですけど、今はぐっとこらえて、みんながルールを守ってコロナ禍を乗り切りたい

主催者側と参加者側が互いに新型コロナ対策をしっかりと行い、有意義な時間を過ごした「0.1gの誤算」と来場者。コロナ禍ならではのロックの楽しみ方のひとつを提案してくれたことに間違いありません。

(「めざまし8」8月31日放送)