40歳未満より10%多い夜間滞留人口

8月19日夜、都内の繁華街を取材すると、午後9時近くになっても営業を続け満席になっている飲食店の数々が目につきます。

路上では、酔い潰れてしまったのか、白髪で年配に見受けられる男性が建物の端に寝そべり動きません。繁華街をパトロールする「見回り隊」が、横になっている人を起こすことまでやっていました。

19日の東京都の新たな感染者は5534人で、2日連続で5000人超と高止まりしています。

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感染拡大と密接に関係するとされる人の流れについて、尾身会長はこう指摘しました。

新型コロナ感染症分科会 尾身茂会長:
いま実は人流が増えているのは若い人たちだけではなく、例えば年齢層が40~64歳、いわゆる青壮年層、中壮年層で、若い人より10%も多いんです。こういうことは、ぜひ一般の人たちに理解をしていただきたいと思います。

厚労省へ助言する専門家組織アドバイザリーボードの資料を確認します。都内の主要繁華街での夜間滞留人口は、午後6時以降で、15歳から39歳の若い世代よりも40歳から64歳の世代が出歩いていることがわかります。

会社帰りに飲み会…中高年層の本音は

若者より重症化リスクの高い中高年層が、なぜ繁華街に多く出向いているのでしょうか?話を聞きました。

40代・50代の会社員:
あっちの店に行ってて、時間だからって出されちゃった。「2時間限定」ということで。飲みましたよ、しっかり。しっかり飲みましたよ。これからもう一軒、二軒、三軒、四軒行きますよ。

会社終わりの飲み会帰りだという40代、50代の会社員たち。まもなく午後8時という時間でしたが、この後も別の店に飲みに行く予定だと言います。

いま夜の街を出歩く理由を聞くと…。

50代会社員:
やっぱり仕事終わった後にそんなに遅くはならないけど、ちょっとだけ気を抜いてというか、リラックスして帰ろうかなっていう心理じゃないですかね。軽くちょっと引っかけて帰ろうよ、みたいな。40~60代ってそういう世代だと思うので。

テレワークはしないのでしょうか。

50代会社員:
テレワークはぶっちゃけもうしていないですね。テレワークは限界があって、やっぱりフェイストゥーフェイス。会って気持ちを感じ取って、そういう部分ってあるじゃないですか。そういう仕事がずっとやってきたスタイルですし。

40代・50代の会社員:
当然でしょうね。経済を回しているのはその年代(40~50代)じゃないですか。それは使ってナンボって義務があるから。40代、50代はすごい我慢してたんで。

「テレワークは限界」という言葉が発せられる一方、19日、菅首相と会談した経済団体のトップは管理職の“なんとなく出社”に釘を刺します。

経済同友会 桜田謙悟代表幹事:
なんとなく出社するという管理職、なんとなく出社をするというトップが、やはり増えてきてるなという感じがする。どうして会社に来るのと言うと「それは会社があるから」だと、それだとまずい。

夜も昼も人出を抑え、感染拡大を反転させることができるのか。まだ先行きが見通せない状況が続きます。

(めざまし8  8月20日放送)