自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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子どもたちの不安をケアするには?記事後半に続く…

「子どもたちと防災について話したいけれど、『地震が来たら怖い!』『パパやママが死んじゃったらいやだ!』と怯えてしまう子どもたち。どんな風に『災害の話』をすればいいの?」

9月は「防災月間」。“もしも”に備えて、子どもたちには小さいころからしっかりと台風や津波、地震といった災害について知ってほしい…と思うお父さんお母さんは多いはず。

ただ、「子どもたちと避難方法などをしっかり確認しておこう!」と思って切り出しても、「地震や洪水が来たらこわい!」「パパやママが死んじゃったらいやだ!」と、災害の話をしただけで怖がってしまう子どもたちも。
そんな不安な気持ちをケアしつつ、子どもたちの防災意識を高めていくにはどうしたらいい?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

“リアル”な映像には注意

――地震や洪水などをこわがる子ども。どんな風に伝えたらいいの?

日本は自然災害が多い国です。地震や台風などの自然がもたらす脅威は残念ながら避けようがないので、知識を持って備えておく必要があります。子どもたちも然りで、我が子に防災について上手に伝えていきたいと考えている親御さんも多いと思います。

とは言え、子どもを怖がらせたくないというお気持ちもとてもよく分かります。実際に、大人は災害のニュースや衝撃映像特集などを見て、防災の重要性に対する思いを高めることはできますが、子どもには刺激が強いこともあります。たとえば先日の熱海の土石流被害のときもそうですが、今はその瞬間のリアルな様子が一般の人から投稿される時代なので、子どもには生々しすぎる映像になることもあるのです。

防災というのは、それが起こる前、その瞬間、起こった後にできることはないか、このように避けがたい災害をどう乗り切るかという対策のことなので、実際の映像を繰り返し見るよりも、もっと「なにをしたらいいか」ということを教えられる題材が望ましいと思います。


――「なにをしたらいいか」を教える題材とはどんなもの?

その代表例が絵本でしょう。金の星社が出している『やさしくわかる ぼうさい・ぼうはんのえほん』などは、自然災害を含んだ子どもに伝えるのが難しいテーマを取り上げています。描かれているのが”絵”である分、生々しさがないのと、「なにをしたらいいか」という身を守るための防災を目的にしていますので、子どもを不要に怖がらせずに伝えるにはおすすめです。

これら以外にも、子ども向けの防災絵本は意外とたくさん出ています。検索して、お子さんが興味を持ちそうなものを選んでみるといいかもしれません。絵本を親子で一緒に読んで、防災リュックを作ってみたり、避難訓練をしてみたり、このようなことが防災意識を高めることにつながるでしょう。

逆に避けた方がいいのは、災害時にテレビをつけっぱなしにしておくことです。大人はニュースキャスターが伝える言葉もしっかり理解しながら、流れる映像を見ることができるので、現状を把握するにはニュースは最適です。ですが、子どもたちはやはり“映像”がメイン。キャスターが言っていることはほとんど耳に入らず(もしくは理解できず)、目の前に広がる映像だけを追ってしまうことになります。親が横で解説できないときは消しておくのが無難です。

パパやママが「元気だよ」と伝えて安心させるのも大切

――防災の話をするのにふさわしい年齢などはある?

年齢は上がれば上がるほど、受け止めはしやすくなりますが、その子の性格でも変わってきます。赤ちゃん時代から刺激に対して怖がる傾向がある子は、こういう災害に関しても敏感になることが予想されますので、「もう〇歳だから」と無理強いしないことも大切です。

一般的には小学生になったら伝えていけると望ましいでしょう。小学生以降、子どもたちは親元を離れている時間がどんどん増えていきます。地震のように予測できない災害は、親子が一緒ではないときに起こることも十分考えられますので、もしもの時の備えとして大事な情報になります。幼稚園までは絵本ベース、そしてそれ以降は具体的なノウハウとして伝えていけると無理がないと思われます。


――「パパやママが死んじゃったら…」こんな気持ちをケアするには?

「パパやママが死んじゃったら怖い」という気持ちは、死の意味が分かっているからこそ起こる恐怖です。

小さい子がお人形ごっこなどをしているのを見ているとよく分かりますが、幼少期は“死ぬこと”と“眠ること”の違いが明確ではありません。よって、たとえ、「あ~死んじゃった」などと言って、お人形をパタッと横にしても、また数分したら起き上がらせることがよくあります。この時期はまだ死の意味があいまいな分、死に対する恐れも起こりにくいと言えます。

しかし、小学校に上がるころになると、死についての意味をだんだんと理解してきます。海外の研究でも、6~7歳の子のほとんどが、生命がどうやって維持されるのかを内臓の機能を絡めて説明することができたというデータがあります。よって、この頃から、子どもの中には「万が一」を想像して不安がることがあると思いますので、もしそのような思いを起こしている様子があれば、パパやママが元気だということをしっかり身をもって伝えてあげてください。

できれば、そのような気持ちを引き起こす前に工夫するのが望ましいので、日ごろから死という言葉を多用するのは避けましょう。「そんなことしたら死んじゃうよ」なども含めてです。このような言動も不安をあおりかねないので、意識して使わないようにしていくのがおすすめです。

子どもたちにとって、“リアル”な映像は時に逆効果。まずは子ども向けの防災絵本などで「なにをしたらいいのか」を覚えていくのが良いという。
「災害=漠然と怖いもの」としてしまうのではなく、子どもたちに防災について伝えることも大事なことだ。

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※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)