アメリカのCNNテレビは、ワクチンを接種せずに出社した従業員3人を解雇した。

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米メディアなどによると、CNNのザッカー社長は8月5日  従業員宛ての文書で、新型コロナウイルスワクチン接種の状態で出社した3人を解雇したと明らかにした。
CNNでは接種済みであることを出社の条件にしていて、ザッカー社長は「違反は一切認めない。今後接種証明の提示が必要になる可能性がある」としている。

内田嶺衣奈キャスター:
このニュースについては、社員全員がリモートワークで働く会社・キャスター取締役CROの石倉秀明さんに伺います。
ワクチン接種をせずに出社した社員を解雇ということですが、このニュースをどうご覧になっていますか

石倉秀明(株)キャスター取締役CRO:
自由な国の象徴であるアメリカの会社でもこういった例が出てくるというのは、かなり踏み込んだ判断をしたなという印象です。
ただ、それだけ脅威が高まってきているという認識や危機感もあるということなのだと思います。
日本とアメリカで多少の労働者に関わる法律は違うわけですけれども、基本的に労働者というのは、業務上の必要性や合理性が認められる命令には従う義務があるんです。
今回のケースでは、職業上 不特定多数の人と接するということから、ワクチン接種を優先することに合理性があったと判断したのではないかと思います

内田嶺衣奈キャスター:
企業側としても、あくまで”社員を守るため“ということだと思いますけれども、日本でもこういったケースが今後起こり得るのでしょうか

石倉秀明(株)キャスター取締役CRO:
日本では解雇については、過去の判例から4つの要件があります。
例えば経営状況がかなり悪化しているとか、解雇する前に会社が事前にどれだけ努力をしたかなどの要件があるので、解雇は現実的に非常に難しいというのがあります。なので、ワクチン接種による解雇の例は出にくいと思います。
けれども、仕事の特性上 合理性があるとして、ワクチン接種を必須にする通達を出す会社や、またワクチン接種者のみ採用するというような会社が出てくる可能性はあるかなと思います。
そういったときに”合理性“をどう判断するのか。会社側が判断するのは非常に難しいことなので、一時的にガイドラインなどがあってもいいのかなというふうに思います

内田嶺衣奈キャスター:
実際に企業で働く社員を守るためのガイドラインというのはもちろん必要だとは思いますが、持病や体質などさまざまなさまざまな事情によってワクチンを打ちたくても打てないという人もいます。
そういった中で、今後どんなルールを作り上げていくのか、議論を深める必要がありそうです。

(「Live News α」8月6日放送分より)