学生時代に愛用していたなど、多くの人に長く愛されてきたキャップ式のオレンジ色のボールペン「ビック オレンジEG」が在庫限りで廃番にすることを発表。
廃番を報告したTwitterの投稿には悲しむ声が集まっている。

【#オレンジEG廃番】
#BIGの定番ボールペン「#オレンジEG」が在庫限りで廃番に。1961年に誕生後、進化を遂げてきたEGでしたが大変残念です
#ビックりな話
ご愛用者の皆様、出来ましたら下記の#をつけ思い出やエール等ご投稿下さい
可能な限りポジティブだと喜びます
#さよならオレンジビック

提供:BICジャパン
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このように投稿したのは、フランスの大手筆記具メーカーの日本法人BICジャパン株式会社(@BIC_JAPAN_1945)。

廃番が決定したのは「オレンジEG」の0.7mm と1.0mmの2種類で、両方とも黒・赤・青インクの3色。

投稿を見た愛用者からは、「#さよならオレンジビック」とハッシュタグを付け「デスクにバックに車にそれぞれストックしているビックのボールペン。代わりなんて見つかるのかな。」「これ以上にかわいいボールペン他に見つけられないよ…」「辛すぎる。小学生の頃から勉強する時は絶対にこのBICと決めていた。」など懐かしむ声や悲しみの声が投稿されている。

提供:BICジャパン

発売から60年が経ち、このボールペンの存在はほとんどの人が知っているのではないだろうか。書き慣れたボールペンがなくなってしまうことで、ネットでは急いで買いに行った人がいるようだが、現在の在庫状況はどうなのだろうか?また復刻することはあるのだろうか?

BICジャパンの担当者に話を聞いた。

「オレンジEG」は日本では定番商材でしたが…

ーーなぜ廃番することになった?

本社主導での取り扱い商品のラインナップ見直しが入り、主力製品(売上げ重視)を中心とした商品へフォーカスすることとなりました。
オレンジEGは国内では定番商材でしたが、海外では数か国を除いては取り扱いがなかったために優先順位で廃番が決定。世界的にはフラッグシップのクリスタルボールペンが主流ですので、そちらにシフトする形となりました。

クリスタルオリジナルファイン0.8(提供:BICジャパン)

ーーやはり売り上げは減少していた?

日本国内での売り上げとしては、大手チェーン店などで販売していて、商品カットになった2016年に一度下げましたが、定番扱いでしたので過去5年は安定した売上げを維持していました。

海外ではオレンジ「EG」の売上げは低迷していました。日本においてはインクがスムーズなイージーグライド(EasyGlide)のオレンジ「EG」のみを販売していたた経緯があり、こちらが廃番=世界でも廃番となりました。そもそも海外ではオレンジ「EG」ではない通常のオレンジを販売しており、今後もこちらのオレンジは継続販売です。


ーー「ビック オレンジEG」はどういう商品?

1944年にフランスで設立されたBICは、世界初の使い切りボールペン「ビック・クリスタル」を1950年に販売開始しました。そして、1961年にはオレンジ軸が特徴の「ビック・オレンジ」が誕生。ロングセラーキャップ式油性ボールペンです。

そのデザイン性や1本88円の低価格、書き心地の良さから瞬く間に「定番のボールペン」として、その地位を確立しました。
2010年グッドデザインロングライフデザイン賞受賞。従来品より35%もなめらか度がアップしたイージーグライドインキを採用しています。

提供:BICジャパン

反響で10万本近くあった在庫は無くなりました

ーー廃番を公表後、反響はあった?

小売店・問屋には事前に発表していましたが、7月20日に対消費者にTwitterやInstagramなどを通じて発表した直後から、「ショック!いやだ!」などの反応があり拡散しました。

その日の夕方に報道メディアから取材の連絡が来てネットニュースになり、友人・家族以外にも普段連絡してない人からも「オレンジBICニュースになってるよ、廃番なの!?」と連絡が途絶えない状況に。
その直後、オンライン販売サイトでの注文が殺到し、200件ほどの注文が入り1時間でオンライン在庫は切れてしまいました。翌日は、問屋・小売店から、ある在庫全て欲しい。という連絡が殺到し、その日のうちに10万本近くあった在庫は無くなりました。

提供:BICジャパン

ーー廃番すると聞いた時、どう思った?

信じられない。とただただショックを受けました。日本ではオレンジ=BICという代名詞となっているボールペンと自負していたので…。ただ、本社意向に沿うのが外資の宿命ですので従わざるを得ないという内心でした。

社内でも皆、同様な考えで、アイコニック商材でしたのでショックを受けておりました。


ーー現在の在庫状況はどう?

在庫はなくなりました。出荷も終了しております。

今後、再販の可能性は?

ーー話題になったけど、どう思う?

率直、悲しいですし廃番というニュースでない内容で話題になりたかったですが、何もなく去ってしまうより何か花道的なものを用意したいということで、SNSで発表したことが結果的にYahooトップニュースになったことは嬉しかったですし、BICの認知が瞬時でも上がったことは良かったことと思います。

後継機種も翌週7月27日に発表したので、小売店・問屋だけでなく、消費者にも切り替えのお知らせが十分にできてよいPRとなりました。

提供:BICジャパン

ーー今後、再販する可能性はある?

生産が終了しているので、今後再販の予定はございませんが、他国の在庫があれば取り寄せて限定的に販売する可能性はゼロではありません。
 

クリスタル オリジナルファイン0.8㎜(提供:BICジャパン)

今後再販の予定はないようだが、オレンジEG廃番に伴うキャップ式油性ボールペンの後継「クリスタル オリジナルファイン0.8㎜」が7月27日からオンラインで先行販売、8月上旬から全国のBIC取り扱い店でも順次販売する。

従来品の1.75倍の筆記距離があり、長持ちするという新商品へと受け継がれていくようだが、慣れ親しんだものが廃番になってしまうのはやはり寂しいものだ。