男性の割合は約9割、男社会の代名詞とも言える警察で、男性の育休取得を推進している。国も7月、育児法を改正し、男性の育休取得を加速させたい考えだが、その取得率は8%。
現状と課題を今、改めて考える。

24時間365日、昼夜を問わず発生する事件・事故。対応に追われる警察では、男性が全体の9割を占めている。

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警察官でもあり、パパでもある「夫」

生後約1カ月半の凪紗ちゃんを抱っこするのは岡山県警の板野順一警部(44)。ぐずる愛娘を、抱っこ紐を使ってあやす。

妻・麻衣子さん:
お父さんに抱っこしてもらおう

岡山県警・板野順一警部:
落ち着いた

板野さんは2021年5月、2週間の育児休暇を取得。育休中は全ての家事と育児を引き受けた。
はじめは苦戦したオムツ替えやミルクも、今となってはお手の物。職場に復帰してからも、休みの日は育児に奮闘している。

おむつ交換をする様子

岡山県警・板野順一警部:
なかなか慣れないことばかりだったが、ある程度やったから今、こうやってそれなりに育児ができている

職場全体で育休取得者をフォロー

赤ちゃんをあやす姿からは一転、職場では青い制服に身を包む警察官。育休で不在になる上司の仕事をフォローできるか、不安に感じたという部下も…

部下・岡山県警・山本聡警部補:
自分でも補佐の仕事もしないといけないと思っていたので、事前に勉強できてスムーズにはできた

部下・岡山県警・山本聡警部補

逆に板野さんが抜けたことで、メリットもあったと言う。

上司・岡山県警・岸淵秀夫警視:
1人抜けたら大変だと誰でも思うだろうがやっぱりやってみないと、こればっかりは。やってみたら周りがカバーするし、係長も1つ上の仕事して勉強になるし、良かったと感じている

しかし、厚生労働省によると、育休の取得率は女性が83%なのに対し、男性は8%、男性の育休取得は進んでいないのが現状。

街の男性:
取らないし、取れても取らない。仕事は休めない

街の男性:
ほかの人にしわ寄せ。本人が心苦しく、申し訳なく感じるからでは

街の男性:
昔からの堅苦しい悪い風潮で、男は仕事に生きろというのがあるが。そういった会社の風土があるとその部下も取りづらい

こうした現状を受けて政府は6月、育児法を改正。
男性が育休を取りやすくなるよう制度を改めたほか、企業にも雇用環境の整備や、男性従業員に対して育休取得の意思を確認をすることなどを義務付けた。

少しずつ変化する男性の育休

岡山県警では2020年、人事担当者が県内22の全ての警察署を回って育休の説明会を開いた。
初めて男性警察官が育休を取ったのは4年前、2020年度の取得率は約13%となっている。

岡山県警・松原貴光人事管理官:
警察という仕事は、24時間気の抜けない業務。仕事でそれだけ集中力を出そうと思えば、生活基盤である家庭がきちんとこなせていないと、とてもできない、多様な働き方をこれからしていかなくてはいけないと、改めて認識していきたい

岡山県警・松原貴光人事管理官

板野さん夫妻は育休をとったことで、育児の負担が分散するだけではなく一緒に子育てをしていくという気持ちを共有できるようになったという。

妻・麻衣子さん:
子育てを夫婦でしていると日々実感できるので、育休をとってくれて良かった

岡山県警・板野順一警部:
生まれた直後の貴重な時間を過ごせていけたら

男社会の代名詞「警察官」が育休を取る時代。
少しずつではあるが、男性の育休取得推進に向けて法整備や職場の意識変化が進んでいる。

(岡山放送)