6月に感染者数が急増 季節外れの大流行
主に子どもがかかる風邪の一種「RSウイルス感染症」が全国で広がり、高知県内でも感染者が急増している。その理由を専門家に聞いた。
RSウイルス感染症は呼吸器の感染症で、2歳までに100%の子どもがかかると言われている。
この記事の画像(8枚)全国で感染が拡大する中、高知県内でも患者が急増。
定点調査を行っている28の医療機関を見ると、7月4日までの1週間に、過去10年で最多となる233人の患者が報告されている。
――今の感染状況は?
高知県感染症対策協議会会長 吉川清志医師:
これまでRSウイルスは秋から冬、それから次の年の春くらいまで流行するパターンだったが、2021年は全く別の流行をしていて、今県内で大流行している
感染者数の推移をみると、2021年は5月から感染者が出始め、6月に入ると右肩上がりに増えている。2019年のグラフを重ねると、流行の時期が早まった上、患者数が急増していることがわかる。
理由はコロナ対策? 免疫もたない子どもに感染広がる
なぜこのような流行が起きているのか。
高知県感染症対策協議会会長 吉川清志医師:
コロナの感染対策をした結果、2020年はほとんどRSの患者がいなかった。免疫をもっていない、感染したことがない子どもたちが増えてきている。そのために、ウイルスがいったん保育園などに入ってしまうと、大流行を起こしてしまう。そういう事態が起こっていると考えられる
2020年のグラフを見ると、RSウイルス感染症の感染者はほとんどいない。免疫を獲得できなかった子どもたちが2021年に入って感染したことから、大流行したと考えられる。
RSウイルス感染症は、一般的には熱やせきなどの風邪の症状で収まるが、生後6カ月未満の子どもは重症化するおそれがある。
高知県感染症対策協議会会長 吉川清志医師:
普通の風邪の症状であれば、鼻が少し出ても、せきが少し強い程度であれば、水分をとって様子を見る。息が苦しくて眠れないとか、あるいは、しんどくて熱が続く場合もある。その場合は我慢しすぎないで、きちんと受診して医師の指示に従ってほしい
(高知さんさんテレビ)