14日間保管のルールから「すぐ処分可能」に変更

「一方的に送り付けられた商品は直ちに処分可能に!!」
6月29日に消費者庁がこんなチラシを公開した。
 

出典:消費者庁
出典:消費者庁
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これは特定商取引法の改正で7月6日から、いわゆる「送り付け商法」に対するルールが変わることを周知しているもの。
「送り付け商法」とは、注文していない商品を一方的に送り付け、断らない場合は買ったものとみなして代金を請求する手口のこと。

送られてくる物は、チラシにも書かれているカニなどの海産物や健康食品など様々。
去年は、政府が布マスクを配布したことを真似て、関係のないマスクを勝手に送り付ける手口が現れ、注意が呼びかけられた。

「送り付け商法」で買った覚えのない商品を受け取ってしまったら、これまでは14日間保管しなければならず、そののち処分してよいとされていたが、7月6日以降の注意点は次のようになる。

一方的な送り付け行為への対応3箇条
その1:商品は直ちに処分可能
その2:事業者から金銭を請求されても支払不要
その3:誤って金銭を支払ってしまったら、すぐ相談

もしも覚えのない商品の代金を払ってしまった場合は、消費者ホットライン(局番なし電話番号188)に相談していただきたい。
 

保管する必要がなくなり、すぐ処分してよくなるということだが、返品を求められるトラブルが起きるのではないか?そして、この法改正で「送り付け商法」は減るのだろうか?
消費者庁の担当者に聞いた。
 

堂々と「返す必要はない」と言えます

――法改正の理由は?

物を送り付けて代金を請求する商法は、一時期下火になっていた可能性があるんですが、コロナ禍で家にいることが多くなったことによって被害が顕在化しています。
昨年も引き続き起きており、このような事態を回避できるよう法改正を意図しました。
 

――「返品しろ!」というトラブルになるのでは?

今までは14日間保管していたので「返せ」と言われるタイミングがあったと思うんですが、7月6日以降は直ちに処分してもよくなります。
「返せ」と言われたら、堂々と「返す必要はありません」と言えるので、事業者側はどんどん物を送ったら、どんどん損をすることになります。
 

――お金を払った場合「すぐ相談」って時間が経つとダメなの?

売買契約が成立していない場合、お金を払う必要はありません。
間違ってお金を払ってしまったら「返してください」と言えるのですが、悠長にしていると、逃げられたりすることがあります。
ですので困ったことがあったらすぐ相談して下さい。
 

――どうやって多くの人にお知らせする?

今やっているようなWEBサイトの活用や、必要に応じてその他の広報手段をとります。
例えば消費者庁のWEBサイトだけではなくて、他のポータルサイトなどに情報を載せることも検討しています。
幅広くいろいろな媒体などを使ってやっていこうと考えるところです。
 

――この法改正で「送りつけ商法」でのトラブルは減る?

実際にゼロになるかどうかは施行してみないと分からないところはありますが、もちろんなくすつもりです。
いい結果が出ることを期待しています。
 

知らない商品が届いた場合、もちろん受け取りを拒否する手段をとることも有効だ。
ちなみに、送り付け商法に関する改正法が施行されるのは7月6日なので、この日より前に届いた商品に関しては、以前と同様14日間の保管が必要となるので注意していただきたい。
 

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。