広島県内でも人気上昇中の「台湾カステラ」。SNSでもはやっているスイーツで、キーワードは“ふわ”で“シュワ”だ。
食べてびっくり！話題のスイーツはどう作る？
広島県府中市にある築90年の印刷工場をリノベーションした複合施設「季のむら」。
この中にあるカフェ「ひより」で台湾カステラが食べられると聞いて訪ねると、ちょうど台湾カステラが焼きあがったところだった。
――こちらは今、焼きあがったばっかり？
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
はい、焼きたてが一番ふわふわしていて。ちょっと揺すると揺れるぐらい、ふわふわになってます
カフェを経営する土山晴佳さんは、2020年から台湾カステラを作り始めた。
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
カフェのイメージに合うお菓子を探していたら偶然、台湾カステラというものを見つけて、作ってみたら評判が良かったので。見た目以上に、口に入れていただいた時の食感が“ふわふわシュワシュワ”な感じで、食べたら驚かれるお菓子です
材料はいたってシンプル。卵を卵黄と卵白に分け、砂糖と薄力粉、そして牛乳に植物油。
まずは、卵白（6個分）を泡立て器でメレンゲにしていく。
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
日本のカステラは全卵で泡立てていくんですけど、台湾カステラはメレンゲと卵黄の生地に分けて、あとで合わせていきます
少しふんわりしてきたら、砂糖（100g）を数回に分けて入れる。角が立つくらいに泡立てたら、メレンゲはいったん冷蔵庫で冷やす。
次に植物油（70g）に薄力粉（100g）を合わせて混ぜ、そこに温めた牛乳（80g）を加える。
さらに、卵黄（6個分）を少しずつ加えながら混ぜ合わせる。
最後に冷やしておいたメレンゲを加え、今度はふんわり混ぜ合わせる。
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
メレンゲをつぶさないように混ぜていくと、ふんわりした生地になります
生地を型に流し入れ、鉄板に乗せたら…
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
お湯を入れて湯煎で焼いていきます。湯煎で焼くことで、ふわふわした出来上がりになります
下ごしらえにかかった時間は、わずか15分ほど。あとはオーブン（約150度）で1時間ほど焼くと、ふわふわの台湾カステラの完成だ。
cafe〈ひより〉 土山晴佳さん：
お子さまも食べやすいですし、クリームをのせてみたり、お好みにアレンジしやすい
店ではプレーンとチョコレートの2種類を提供し、前日までに予約すると、ホールでも販売してくれる（1ホール18cm×18cm 1700円）。
3カ月間試行錯誤…台湾カステラで街に活気を
続いてやってきたのは、竹原市の竹原駅前の商店街に店を構える「台湾ダイニングカフェ 行天」。台湾好きの夫妻が2015年にオープンした。
店主の市橋浩さんは、店をオープンするにあたり、1カ月半ほど台湾中を回って食べ歩きをしたという。その中で「台湾カステラ」と出会ったが、店で提供するようになったのは、2021年3月のことだった。
台湾ダイニングカフェ行天 市橋貴江さん：
コロナの関係で時間があったし、ちょっと台湾スイーツを作ってみようという思いがあったので
新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされ時間ができたことが、台湾カステラの製作・発売につながった。
――何時間くらい焼かれたんですか？
台湾ダイニングカフェ行天 市橋浩さん：
2時間
――これは抹茶？
台湾ダイニングカフェ行天 市橋浩さん：
抹茶です
分量や温める温度などは企業秘密ということだが、基本的な材料は、cafe〈ひより〉とほとんど同じ。市橋さん夫妻は店の休業中に研究を重ね、3カ月間試行錯誤してようやく納得のいくカステラにたどり着いたという。
台湾ダイニングカフェ行天 市橋浩さん：
この大きさを焼くのが難しいんです。家庭用の大きさを焼くのは、そんなに温度などのばらつきも関係ないんですけど、大きいのを焼こうと思ったら、少しの温度の違いとかメレンゲの立ち具合で全く違うものになるんです
現在、店ではプレーンのほか、抹茶とカカオの3種類を販売。台湾カステラは今や店の看板商品になっている（プレーン 1パック700円、1ホール28cm×40cm 5000円）。
台湾ダイニングカフェ行天 市橋貴江さん：
うちは商店街にありますが人通りが少なくて、目的に来てもらえるような何かを作りたいなっていう思いもあったんですよね。台湾カステラを目的にして竹原に遊びに来ようとか、行ってみようと思ってもらえたら、うれしいなと思って
店のキャッチフレーズは「台湾カステラで竹原を元気に！」。その思いが今、少しずつ叶い始めている。
ホテルのメニューにも登場 豆乳でさらにふわふわに
最後にやってきたのは、呉市の「クレイトンベイホテル」。
こちらの喫茶でも、台湾カステラを2021年4月からメニューに取り入れた。
クレイトンベイホテル 藤本梨恵パティシエール：
当ホテルは台湾のホテルと提携しているので、それもあって台湾のスイーツ、新しいものでやることにしました
ホテルの厨房で作るとあって、一度に作る量も大量だ。
基本的な材料は変わらないが、クレイトンベイホテルでは、牛乳のほかに豆乳も入れる。膨らみ方が変わるという。
型が大きいため、オーブンでは3時間ほど焼く。
クレイトンベイホテル 藤本梨恵パティシエール：
焼き上がりはもちろんふわふわなんですが、冷たくなっても（ふわふわを）キープするのが一番難しかった
何度も作り直して、やっとたどり着いたフワフワの台湾カステラ。今では遠方からも買い求めに来る人がいるという（台湾カステラ 2160円、ハーフ 1080円）。
クレイトンベイホテル 藤本梨恵パティシエール：
予約もたくさんいただいていて、数量限定にしているので売り切れる日もあって。オンラインでも売っていますので、そちらも結構ご予約いただいていて好評です
6月から一口サイズの新商品「台湾カステラキューブ」(500円)も発売する。
広島県内での台湾カステラブームは、始まったばかりだ。
（テレビ新広島）
