インド型拡大の中、接種の新規申請受付を一時休止…今後は?

6月23日、東京では新たに619人の感染を確認。厚労省アドバイザリーボードの記者会見で、脇田隆字座長はすでにリバウンドの状況とし、特に若い人を中心に都心部から感染拡大が始まっているのではないかという見解を示しました。

さらに、感染力が強いとされるインド型が、7月初旬に50%程度まで置き換えが進むのではないかという予測も示しました。

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インド型にワクチンは対抗し得るのでしょうか。ワクチン接種を担当する河野太郎規制改革相がフジテレビの「めざまし8に」生出演。気になる疑問をぶつけました。

まず、今後のワクチン接種の進め方について尋ねました。

河野太郎規制改革相:
今のところ変異ウイルスに効かないワクチンはないので、まずはワクチンを2回打ってもらうことが大事。各自治体にもお願いして、しっかりとワクチンの2回接種のオペレーションを進めてもらっているので、これからもこれを続けていきたいと思っている。さらに、ワクチンの2回接種を進める間に感染を抑えておくことが非常に大事。

感染をしっかり抑えておいて、この感染力の強い変異株をなるべく抑え込んでいる間にワクチン接種を進めていきたいと思っております。現在、自治体が行うワクチン接種に加え、これから職域接種などが始まると、1日150万回近くワクチンを打つことになり、これはワクチンの供給を考えると限界に近づいている。これからはワクチンが足りなくならないように、どう適正に供給していくかという作業をやっていかないといけない。

ワクチンの総量は全員が打てる分を9月末までに確保しており、あとはそれが輸入されるスピードに合わせて、在庫にならないように上手く配分していくと接種のスピードは維持できると思う。その配分をどのようにやっていくのかが難しい。

続いて、前日の会見で明らかにした職域接種の新規申請受付休止について、その理由を聞きました。

河野太郎規制改革相:
モデルナ製のワクチンは、5000万回分が9月末までに入ってくるので、これで職域接種と自治体の大規模接種をスピードアップしようということで、申請をお願いしますと申し上げましたら、あっという間に各所から申請を出して頂いた。正直うれしい悲鳴。現在受けている申請が、5000万回分という総量に対して限りなく近くなってきているので、新規申請を一時止めさせて頂いた。

――供給量を増やすことはできないのか?

河野太郎規制改革相:
すでにファイザー、モデルナとの契約量は、9月末までに入ってくる量で国民のみなさまには打って頂ける十分な量。日本に入ってくるスピードをなんとかして早くしたい、と毎日のように交渉していますが、全世界にワクチンを配らなければいけないという中で、これ以上は少しずつのスケールでしか輸入の前倒しが出来ない状況。

課題の「若年世代への接種」 どう拡大?

今、課題となっているのが若い世代へのワクチン接種。接種したくないという若い人がいることについて、どのように考えているのか聞きました。

河野太郎規制改革相:
まず、副反応について言えば、副反応はあります。インフルエンザのワクチンよりも副反応が強く出ます。しかし、打った次の日、私も痛くて(腕が)上がらなくなりましたけれども、今日は全然なんの問題もありません。

2回打つと発熱する方、37.5度から38.0度の熱が出る方がそれなりの割合でいます。しかし、それもだいたい1日で回復します。それぐらいの副反応とコロナに対して非常に高い発症予防、重症化予防の効果があるということを考えると、やはりこれは若い方にも積極的に“打ってください”とお願いをすべきと私は思っています。

それから、高齢者はどちらかというと新聞、テレビから情報を得るわけですけれども、若い方はネットやSNSで情報を得る人が多いと思いますが、今、このネットとSNSにはワクチンに関する様々なデマが広がっていますので、ひとつひとつ潰して行かなければいけないのかなと思っています。

河野太郎規制改革相:
特に「遺伝子に変異が起きる」ということもありませんし、「若者はコロナにかかっても死なない」とありますが、重症化する割合は非常に低いのかもしれませんけれども、やはり変異ウイルスで重症化する年齢は確実に下がっています。

それから、コロナにかかってそんなに重症ではなくても、後遺症。例えば、匂いが戻ってこない、味が戻ってこない、あるいは脱毛、毛が抜けるという後遺症がずっと続いているという若い方が、それなりにいらっしゃいます。そういうことを考えれば、若い人にも打って頂く必要があると思っていますし、“自分を守るだけでなく周りを守る”という意味でも、ワクチンを打つという意味は非常に大きいと思っています。

 

また、ワクチン接種が描く近未来については、専門家の見解を待ちたいと慎重な言い回しに終始しましたが、接種の拡大に向けては、デマの打ち消しや円滑なシステム作りを強く推し進めると強調しました。

(「めざまし8」6月24日放送)