新型コロナウイルスの影響で表面化した、様々な格差について考えます。今回は、「家事格差」を取材。
コロナ禍で広がるリモートワークで、夫婦間の家事負担の格差が広がり、「コロナ離婚」に発展することもあります。

妻たちが動画で訴える「家事格差」の実態

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今 YouTubeには、普段の家事や育児の様子を自分で撮影した動画が増えています。
そこには、忙しい妻たちの悲痛な叫びの数々がおさめられていました。
そんな投稿者のひとり、真金さん(35)。主に午前9時から午後3時まで保育士として働きながら、3人の子供を育てています。
なぜ動画投稿を始めたのか聞いてみると…

真金さん:
朝バタバタしている様子とか、うちの娘とどういう風に過ごしているのかとか、自分の時間がないから、どうやって自分の時間を作っているのかっていうのを知ってほしかったです。
こんなにやっているんだぞっていうのを、(夫に)伝えたかったっていうのが

動画のコメント欄には、真金さんと同じような境遇の人たちから共感の声が多く寄せられていました。
真金さんの夫は、結婚生活の経過とともに家事や育児に協力的になってきたといいますが、長引くコロナ禍の影響で家事にかかる負担が変わってきたと言います。

真金さん:
コロナの時、学校が休校したときが一番しんどかったですね。
主人がテレワークになったのが一緒だったので、また作るのっていう感じでしたね。
もう来た、お昼みたいな

(Q:奥さんの方に(家事の)負担がいっているって感じますか?)
真金さん:
感じますね。(夫は)朝起きてきたとしても、ソファーにどんと座る。
言ったら動くけど、言わないと動かない。(家事に)気づかないんですね

さらに、あるツイッターの投稿が話題になっています。

夫婦で“家事負担に差”が…コロナ禍で離婚危機も

「コロナ離婚の危機になりそうだったので、家事分担するべく洗い出そうと協議したら
妻の解像度が4Kなみに細かくてビビっている…エクセル190行もアルヨ」

投稿したのは、「緊急事態宣言級の危機でしたね」と話す夫(37)。
2020年3月から在宅勤務を開始したそうなのですが、家庭内で変化があったといいます。

尾上右近:
お家でお仕事なさるようになって、何かご家庭の中での変化とかってありました?

夫(37):
僕はインターネットの仕事をしているんですけども、それをなんとかしなきゃと思って集中してたりしたんですけど、そうすると家のこととかはほったらかしに更になっていくというか。
(すると)だんだんだんだん妻のフラストレーションが溜まってきて爆発して、別々に暮らそうみたいな、そんなところまで

家にいるのに家事や育児に関わろうとしない夫に対して、妻は不満を募らせていたのです。

尾上右近:
一度衝突があってからって、どういうふうに夫婦間の関係値っていうのは修復なさったんですか?

夫(37):
最初3日間ぐらいは「俺はちゃんとやってたし」って、こう意固地になってたところもあって。自分はやってるやってないとか、そういう口で話してやりとりしてると、あんまり収拾がつかないなと思ったので…

家事をしているつもりだった夫は、妻と別々に、互いが認識している家庭内の家事を列挙してみたのです。
すると、驚きの結果が返ってきたといいます。
夫が認識している家事タスクが21項目だったのに対し、妻はなんと208項目もあったというのです。
その内容を見てみると、夫が「夕ご飯片付け」とだけ記入した項目。妻の「夕ご飯の片づけ」の欄にはさらに20もの項目があり、「炊飯器の部品掃除」や「しゃもじ立ての洗浄」など細かい家事が含まれていました。

尾上右近:
一番衝撃的だった家事項目を教えてください

夫(37):
例えば洗濯とかだと、黒いものと白いものを分けるとか、下着・靴下を予備洗いする。フックが付いたものはネットに入れる。
僕だったら、正直全部ぶち込んでピって回せば良いじゃんみたいなものが、より細かくっていうか

明らかになったのは、夫婦間の家事負担の格差でした。
男性もわざと家事をしていないのではなく、夫婦の“家事”に対する認識には大きなズレがあるようです。

「家事格差」の原因“名もなき家事”を調査

右近さんが思う家“家事”とは?

尾上右近:
いわゆる掃除・洗濯はそうですよね?あとご飯か。
大まかにその3つしか思い浮かばないんですけどね。

NPO法人ジェンダーイコール代表 田渕恵梨子さん:
実は家事ってもっと無数にあって、名前が付いてないような家事もいっぱいあるんですよね

そう話すのは、NPO法人ジェンダーイコール代表の田渕さん。
男女の格差が無い社会を目指し活動しています。
格差を解消するヒントは、掃除や洗濯のような具体的な名前のない家事、“名もなき家事”。
これに夫がどれだけ気づけるかが、男女の家事格差を埋めることにつながるそうです。
そこで、クイズを出題。
田渕さんの自宅に潜ませた5つの名もなき家事を見つけられるでしょうか。
まず、右近さんが気になったのは洗面所。

尾上右近:
洗濯じゃないの?まずは洗濯していない

“洗濯”もしてくれたらありがたいんですが、実はその前に、名もなき家事があるというのです。

尾上右近:
まず溜まってるのと、靴下とかが、脱ぎっぱなし状態っていうの…っていうことかな

NPO法人ジェンダーイコール代表 田渕恵梨子さん:
正解です!それはどうしたらいいですか?

尾上右近:
ちゃんと伸ばしてあげて…これから洗濯するものですよね。ということは、全部ほぐして洗濯しやすくしなければならない

さらに冷蔵庫を開けると…

尾上右近:
(麦茶が)ほとんどない!飲み物を補充しておかなくちゃいけない

NPO法人ジェンダーイコール代表 田渕恵梨子さん:
そのままっていうことは、私に補充しろってこと?っていう

尾上右近:
(靴を)そろえる!靴が出すぎ。
これ、お塩とかも足りなくなっちゃってるから

右近さんは、5つを見つけることができました。
“名もなき家事”にどれだけお互いが気をつけることが出来るかが、格差を埋めていくカギになるのかもしれません。

(「めざまし8」6月14日放送)