年齢を重ねるにつれ、食事中にむせてしまうことが増えたりしてはいないだろうか? これは咀嚼や食べ物を飲み込む嚥下の機能などの低下が原因とされている。

健康のために維持したいものだが、この機能の低下を日常で気づくことは難しいだろう。そのような中、酒田米菓株式会社が「噛む力を判定できるせんべい」を発売した。

提供:酒田米菓株式会社
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その名も「パタカせんべい」で、同社と歯科医師の五島朋幸氏が共同開発した。6月1日から自社運営の通販サイトで、324円(税込)で販売している。

厚生労働省が発表した「2019人口動態統計」によると、主な死因として1位「悪性新生物<腫瘍>」、2位「心疾患」が上がる中、「誤嚥性肺炎」は6位と、上位10位以内に入っている。

誤嚥性肺炎の原因は、「噛む力」「舌を動かす筋力」「食べ物を飲み込む嚥下機能」の低下とされており、これらの機能を維持することが肺炎予防となり、健康長寿へとつながるというのだ。

そこで同社は、嚥下力を適正に保つためには咀嚼の機能を把握するのが重要だとし、一枚一枚を同じ硬さと大きさに調整することで、嚥下に必要な咀嚼力を判定できるせんべいを作った。

せんべいを食べるだけで、自分の嚥下力が分かるのであれば、試してみたい人は多いかもしれない。では具体的に、どれくらいの咀嚼回数が適正なのだろうか?そして、せんべいの味も気になる。 

販売している酒田米菓株式会社にいろいろ話を伺った。

1枚を30回以内に飲み込めると正常

ーー「パタカせんべい」を開発した経緯は?

高齢者で硬いものが食べられなくなる人がいます。そんな方にも噛んで「パリッ」と割れる感覚を味わっていただきたい。その感覚自体が脳に刺激になることはもちろん、本人が噛むことへの自信が持てるのではないかと思ったため、そして入れ歯を入れていると肉のような弾性のあるものは難しくても、破砕するせんべいなら噛めるという方もいるため、開発しました。

また、せんべい好きな高齢者も多く、最後まで食べていただきたいという思いからです。

実は、そもそも「サラダせんべい」を使用した咀嚼能力判定テストがあります。ただ、塩分制限などをされている方たちに対して「サラダせんべい」を提供することは難しい。そこで、咀嚼テストを念頭にせんべい開発が始まりました。


ーーどうやって判定するの?

現在は若い人たちの数字を参考に“1枚を1口で口に入れて30回噛む”という基準にしていますが、高齢者だと困難な方が多いです。半分の量などで今後調査をして詳しい数字を出していきたいです。

提供:酒田米菓株式会社

ーーなぜ「パタカせんべい」というの?

「パリッと割れて」「タ(食)べて美味しく」「カラダに優しい」それが「パタカせんべい」の名前の由来です。


ーーどのような味がする?

20代後半の私が食べると大体、17〜20回程度で飲み込むことが出来ました。味は小さい子さんでも食べられるようなほんのり甘じょっぱい優しい味です。

菓子ではなく健康を意識させる食べ物

ーーこだわった部分はどこ?

苦労した部分でもあったのですが、出来る限り咀嚼を促すよう、食感や形状にこだわりました。


ーー魅力を教えて

原材料は国産の米・砂糖・食塩のみ! 保存料・着色料・香料不使用です。

提供:酒田米菓株式会社

ーーどのような人に食べてほしい?

こちらのご質問については、五島歯科医師から以下のご回答をいただきました。

「元々ユニバーサルデザインを考えていました。塩分控えめを酒田米菓にお願いをしたところ、良い材料を使っていただいたおかげもあり、本当にお米の甘味で唾液がジワッとする感じがある。これはジャンクフードなど食べている若者や小さいお子さんにも食べていただきたいです」


ーー商品が完成した時、どう思った?

おせんべいを単純なお菓子としてではなく、噛むことによる健康を意識させる啓蒙品として世に出せるワクワクを感じました。


ーー売れ行きはどう?

初回生産ロット分が一度完売し、4〜5日品切れとしておりましたが、販売再開後も引き続き好調に売れております。


ーー今後は違う味なども販売する予定は?

今後、味のバリエーションや、栄養素をプラスしたようなシリーズを展開したいと考えています。


現在は、若者を参考に1枚を30回以内に飲み込める程度に咀嚼できれば問題ないとのことだ。また同社によると、「パタカせんべい」は、噛まないと飲み込みにくく時間が経てば口の中で溶けるため、安全に子どもの咀嚼力も強化することができるとしている。

この機会に家族でせんべいを味わいながら咀嚼機能を判定してみても良さそうだ。
 

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