会計時にレジで、店員がバーコードを探すという場面に遭遇したことは誰もが一度はあるのではないだろうか。急いでいるときは待っている客側も少しイライラしてしまうかもしれない。

そんなレジでの“あるある”を解消する商品パッケージが登場し、いま注目を集めている。

それがこちら。

提供:トモヱ乳業株式会社
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巨大バーコードが、ぐるりとパッケージを一周して印刷されているのだ。これならどの側面にもバーコードがあることから、店員は一目で見つけることができ、すぐに読み取ることができるのだ。

この便利なパッケージを考案したのは、関東を中心にスーパーマーケット「Big-A」を展開する株式会社ビッグ・エー。写真の紙パック飲料を製造しているのはトモヱ乳業株式会社だが、ビッグ・エーのプライベートブランド(PB)として販売する商品には、このパッケージが採用されている。

提供:トモヱ乳業株式会社

ネットでも「コンビニでバイトしてる身としては結構有難かったりする」「レジの人に優しいデザイン」「レジは助かりますね」との声があり、ビッグ・エーのアイデアに感心する声が上がっている。

たしかに、このようにバーコードがパッケージを1周していれば、すぐに店員はスキャンすることができるはず。やはりレジの効率化を目的に考案したのだろうか? そしてどのくらいの時間短縮につながっているのだろうか? ビッグ・エーに話を聞いた。

2019年にパルメザンチーズで初めて導入

ーーこのバーコードを考案した経緯を教えて

レジ精算時間を短縮し店舗でのコストダウンを図るとともに、お客様のレジ待ち時間の短縮も図れるので開発に着手しました。レジ待ち時間の短縮を実現するにはどうすれば良いか?お客様のため、従業員のためを思って考案しました。


ーーいつから導入しているの?

2019年9月(パルメザンチーズ)よりスタートしました。

提供:株式会社ビッグ・エー

ーーレジ担当者から不満の声が上がっていたの?

主に社内(店舗)からの不満が多数ありました。たとえば、袋に入っている「もやし」や「バナナ」等は非常に読み辛く、店舗から改善できないかという要望が多数上がっていました。


ーーどのような点が不便だった?

商品によってはバーコードが小さくて見ずらく、また1面にしかないので探すのに手間がかかる事がありました。

左:変更前 右:変更後(提供:株式会社ビッグ・エー)

ーーバーコードをぐるっと1周させたことによるメリットを教えて

複数個所にバーコードを掲載したり、ぐるっと1周バーコードを巻くことにより、商品を見ずにスキャンができるようになりました。

左:変更前 右:変更後(提供:株式会社ビッグ・エー)

4月末時点で156品にこのデザイン

ーー変更後、レジ担当者からの反応はどうだった?

特にレジ業務の方々からは大変好評を頂き、「作業が楽になった」「もっと増やしてほしい」との意見を頂いています。


ーーレジの効率は上がった?

仮に1商品1秒スキャン時間を短縮できたとして、年間で約15000時間以上のスキャン時間短縮が図れています。


ーーどのくらいの商品にデザインされているの?

4月末時点で、156品あります。今後、2022年までに300品以上を計画しています。


ーー今後も増やしていく?

当社開発商品にはすべて導入する予定です。

上:変更前 下:変更後(提供:株式会社ビッグ・エー)

同社の話で現場のレジ係としてはとてもありがたいパッケージであることは分かったが、実際にこのパッケージで商品を製造するメーカー側は大変だったのだろうか?「バーコードを1周させたい」と聞いたとき、どう思ったのだろうか?

トモヱ乳業株式会社にも話を伺った。

「率直にデザイン作成が難しいのではと思った」

ーー初めて「バーコードを1周させる」と聞いたときどう思った?

胴体に1周バーコードを入れたいとのご要望を受け、率直にデザイン作成が難しいのではと思いました。

提供:トモヱ乳業株式会社

ーーデザインを作成する中で、大変だったことは?

製造ラインでの不具合が発生しないかどうか?法律上必要な表示が全て納まるかどうか?牛乳・カフェオレについては、外部確認(全国飲用牛乳公正取引協議会)から承認が貰えるか?など調整・確認が難しかったです。


ーーそもそも、バーコードにはサイズの基準などはあるの?

ございます。基準サイズは37.29mm×22.86mm(数字を含む場所は縦が25.93mm)となります。今回、弊社ライン特性上基準サイズのバーコードは必要なのでそれを残した上で、大きなバーコードについてはBig-A様の要望の箇所がありましたのでライン上に設置してある機器が誤作動しない位置を検討・工夫し、調整を致しました。


ーーデザインが完成した時、どう思った?

販売先であるBig-A様からの要望を、可能な限り調整してデザインに盛り込むところにこだわり、今までにない斬新なデザインと思いました。

提供:トモヱ乳業株式会社

試行錯誤の結果誕生したデザインだということが伝わってきたが、確かに斬新であり、他にないデザインだ。

ビッグ・エーの思いと、これに応えたトモヱ乳業によって完成した今回のパッケージデザイン。SNSなどでも話題になったが、どう感じているのだろうか? 最後に感想を聞いた。

「日本の流通を変える」

ーー話題になったことを、どう思う?

ビッグ・エー:
非常に嬉しく思いますし、これを機に日本中のメーカー様が追随して頂ければ、日本の流通が大きく変わると思います。

トモヱ乳業:
苦労しましたが反響があり、嬉しく思いました。

左:変更前 右:変更後(提供:株式会社ビッグ・エー)

ーー反響はあった?

ビッグ・エー:
メーカー様からのお問い合わせ、お客様からのお問い合わせが日々増えてきています。当社では今回の取組について「smart scan style」(スマート・スキャン・スタイル)=トリプルSと名付けています。タイトルは「日本の流通を変える!」です。当社が実施している事に各メーカー様が賛同頂ければ大きく流通が変わっていくものと信じています。

トモヱ乳業:
消費者の方からのSNSを通しての反響や、商談の際競合スーパーの方からも反響がございました。

 

レジ係がスムーズに業務を行えるだけでなく、最近ではセルフレジが増えてきているため、レジに不慣れな客でもすぐにバーコードを見つけることができる。商品にとってパッケージは大事だが、「日本中のメーカー様が追随して頂ければ」と話すように、このデザインの商品がさらに増えていくと会計時のロスは減っていくだろう。
 

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