上海で「起動」セレモニー

海外でも人気の日本のアニメ。
さらなるファン獲得へ向け、あの“等身大ガンダム”が始動した。

森雅章記者:
ガンダムの起動セレモニーを待ちわびる人たちがこのように沿道にたくさん詰めかけています。
果たしてガンダムはどのように動くのでしょうか。

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4月、中国・上海の商業施設オープンにあわせて、海外初進出を果たした“等身大ガンダム”。

5月28日夜、その起動セレモニーが開かれ、多くの人々が、夢の瞬間を見守った。

 

森雅章記者:
目の部分が光りました。
そして今首が動きました。
ガンダムがこちらを見ています。

ちょっと動きはおとなしめに見えたが、動いた瞬間を歓声とともにスマホに収める人たち。

ガンダムを見た人:
すごく興奮しています! ガンダムは小さいころから見ていました!

ガンダムを見た人:
いきなり手と頭が動いたので、想像を超えていました!

「オフライン需要」狙い

動画配信など、オンラインが成長をけん引する日本のアニメ市場。

ところが近年は、ライブイベントや展示、カフェといった、いわゆる「オフライン」での売り上げも伸びており、その市場は、2019年までの6年間で、2.6倍以上に拡大している。

そんな中、中国でもオフラインでの「実体験を通じて売り上げを伸ばそう」という取り組みが加速。

こちらの商業施設内でもプラモデル作りの体験イベントを行ったところ、連日、参加希望者で大盛況となっている。

プラモデル作りを体験した人:
組み立てていくのが楽しい

プラモデル作りを体験した人:
プラモデルを作るために、ほかのスケジュールをキャンセルしてきた

プラモデル作りを体験した人:
動画は見るだけだけど、少しずつ自分で作ることができて、とても面白い

サンライズ上海・山田大輔代表:
ガンダムというIP(キャラクター)が好きな人はアニメも好きだし、ゲームも好きだし、プラモデルも好きだし、そういった色んな出口がある。
その中の1つとして、大きな出口がオフラインのリアルに体験できる場所を提供できるのはうれしいし、可能性はすごくあると思う

中国でも高い人気を誇るガンダム。

アニメ市場の成長が著しい中国で、リアルな「体験」を武器に、新たなファン層を広げたい考えだ。

「トキ消費」に活躍の場を広げる

内田嶺衣奈キャスター:
このニュースについては、マーケティングアナリストの渡辺広明さんにお話を伺います。
中国でもすごく人気が高くて驚きました。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
日本のアニメやキャラクターは中国に限らず世界中で人気ですよね。
例えば映画、DVD、グッズ。
そのものだけではなく、今回の動くガンダムのように希少価値の高いイベント。
その場でしか体験できない「トキ消費」に活躍の幅を広げているのですね。

内田嶺衣奈キャスター:
「トキ消費」ですか。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
モノを所有するのが「モノ消費」なのです。
それに対して何かを体験するのは「コト消費」
「コト消費」の進化形が「トキ消費」になります。

例えばハロウィンの日に街で様々な人とハイタッチをして、その時その場所でしかできないことに参加するというのがまさに「トキ消費」ですね。

今回のガンダムのイベントは、中国で初めて巨大なガンダムが動く瞬間をみんなで見届けるという、まさに「トキ消費」が人気爆発につながったのではないかというふうに思います。

内田嶺衣奈キャスター:
確かにファンの皆さんにとってはあの瞬間は本当にたまらない瞬間ですもんね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
アフターコロナでは日本のアニメキャラクターが全世界での観光客集客の目玉コンテンツになることがわかったのではないかと思います。

今後この世界に誇る日本のコンテンツの強さを活用して、例えば苦戦する家電だったりとか、高品質の化粧品とキャンペーンや商品開発でコラボすることによって、日本の総力戦として強い武器を利用して世界のマーケットに対峙していくステージに移行することに期待を持っているのです。

内田嶺衣奈キャスター:
確かに「ジブリ作品」や「鬼滅の刃」など、海外でも愛されている日本のアニメは沢山あります。
商品や業種の垣根を越えて日本の良さが世界にアピールできるといいなと思います。

(「Live News α」 5月28日放送分)