入院患者・重症者は第3波のピーク前とほぼ同数

「感染性の高い変異株の影響等を踏まえますと、新規陽性者数を徹底的に減らす必要がございます」

5月27日、東京都のモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が前回の704人から588人に減ったが、依然として高い水準であり、増加比は84%と先週とほぼ同じで横ばいとの数字が示された。

年代別に見ると20代から40代の割合が依然として高く、新規感染者の6割以上を占めていて、20代だけで3割に上っている。

経路別に見ると、これまでと同じく家庭内感染が最も多く55.3%、次いで職場内感染14.4%、施設内感染が13.6%となり、連休の影響で減っていた職場内や施設内感染の占める割合が再び上昇した。

東京都医師会 猪口正孝副会長
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「感染の状況はやや下がっているように見えるんですけれども、第3波の昨年末のクリスマスの頃、これとほとんど同じぐらいの数字です」

東京都医師会の猪口正孝副会長は、現在の入院患者数や重症者は第3波のピーク前とほぼ同数だと指摘し、厳重な警戒を呼びかけた。

インド型ウイルスの急拡大を懸念

「海外の状況を見ていきますと、今後、このL452R(=インド型)への置き換わりが急速に進む、それが想定されております」

スクリーニング検査の結果、感染力の強いN501Yが全体の81.5%になり、インド型もこれまでに東京都健康安全研究センターのスクリーニングで14例確認されている。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、インド型ウイルスへ置き換わりが急速に進むと思われ、監視体制を強化する必要があると指摘した。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫国際感染症センター長

繁華街の人出は夜間20%・昼間17%増加

「緊張感のほころび、ないし緩みというものは、まず昼の人流の増加として現れて、それが引き金になって、よりハイリスクな時間帯である夜の人流増加へと拡大していく可能性が示唆されています」

東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、都内繁華街の人の流れは緊急事態宣言の3週間目から4週間目にかけて、夜間が20%、昼間は17%増加、今週に入ってからも更に増加している、とのデータが示した。

そして、昼の人の流れが増え始めると、それを追いかけるかのように夜の人の流れも増え始めるとして、「このままだと早い段階で(感染者数が)リバウンドする可能性が高い」と警鐘をならした。

「これまでの経験では、緊急事態宣言後、人流は10日間程度、顕著に減少するが、その後増加」

フジテレビが入手した政府内の検討資料にも、現状認識としてこう書かれていた。宣言をさらに延長する中で、どのように人の流れを抑えていくのか。

多くの人が行き交う東京・渋谷(5月27日)

「今がこらえどころ」ワクチン接種で感染者減へ

「感染者数の減り幅が1割なら維持、3割なら緩和と考えることもできるけど、今は毎日2割ぐらいの減少なので非常に難しい」

ある幹部は、感染者数の減少幅の“微妙さ”が東京都独自の対策を決めていく上での難しさだ、と顔を曇らせた。

「今、こらえどころだと思います。何度もこらえどころはあったんですけれど」

小池知事はこう述べた上で、「ワクチンの接種が始まってますよね。この間のタイムラグをどう埋めていくかがポイントになるわけで」と強い危機感をにじませた。

ワクチン接種が進み感染収束につながるまで、オリンピック・パラリンピックを目前に、“薄氷を踏む”ような日々が続く。

(執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)