家族との時間は大切にしたいが、仕事に追われると難しいときもある。娘からの手紙でそんな状況に気付いた父親の行動が、人々の心を温めている。
静岡県袋井市にある飲食店「コミナミ商店」は、今年のゴールデンウイーク、4月28日から5月8日まで連日営業する予定だったが、4月27日に急きょ、5月2日を休店日としたのだ。

インスタグラムで明かされたその理由は、店主である父親に宛てた、小学2年生の娘さんによる一通の手紙。その内容がこちらだ。
パパへ
こんど、たくさん学校がお休みあるんだけどね、パパはずっとおしごとなの?ままからきいたよ。ほんとはね、こんどの日よう日に行きたいところがあったんけど、ぜったいおやすみできない?パパと一日だけでいいから1日じゅうあそびたいよー(パパ大すき)(いつもありがとう)(おしごとがんばって)

手紙からは父親と遊べなくて寂しい気持ち、それでも仕事を頑張ってくれていることに感謝したい気持ちを、娘さんが一生懸命に書いたことが伝わってくる。
これを受けて、父親は「娘からの書き置きの手紙をみて即決しました。人に厳しく…娘には甘すぎるバカ親父です」などと客に謝りつつ、休むことを報告。人々からは「可愛らしくて素敵な娘さんだあ」「めちゃくちゃいいお父さん!!」との声が寄せられた。
休店日とした5月2日は、手紙に書かれた日曜日に当たる。家族での時間をどのように過ごし、娘さんは満足できたのだろうか。父親にお話を伺った。
我慢や寂しい思いをさせてしまった
ーー仕事内容と家族構成を教えて。
飲食店(居酒屋)を営んでおります。嫁、娘との3人家族で、娘は小学2年生です。
ーー手紙はどう受け取った?忙しかった?
仕事が終わり、夜中に家に帰ったらぼくがいつも座るダイニングテーブルの上に書き置きの手紙が置いてありました。手紙を受け取った時はゴールデンウイーク連休直前で、本来連休明けまで休み返上で営業予定でした。

ーー読んでどんな気持ちだった?
うれしかった反面、仕事ばかりでなかなか遊んであげられず、友達は家族で出掛けたりしてる中、小さいながらにも我慢をし、寂しい思いをさせてしまっているんだな。と思いました。
ーー娘さんはなぜ、手紙で伝えたの?
仕事の時間的に、娘が学校から帰ってくる時間にはぼくが家を出ており、仕事が終わって帰る時には娘が寝ている感じです。朝も学校に行くまでの時間しか一緒に居られないので、手紙に書いたのだと思います。※コミナミ商店の営業時間は17:00~24:00

コロナで遠出できず…でも「パパありがとうね。」
ーー休みはどう過ごした?行きたい場所に行けた?
休みは5月2日に1日だけですがとりました。本当は愛知県にあるレゴランドに行きたがっていたのですが、コロナの関係もあるので遠出することは出来ず、その次にやりたいと言っていたBBQをやったり、公園で遊んでピクニックをしたりしました。

ーー娘さんは喜んでいた?
喜んでいたと思います。その前にぼくの方が娘と遊ぶのに夢中で、ぼくの方が喜んでいたと思います笑。その夜、一緒に寝る時に「パパありがとうね。」と言われたことで休んで良かったなと思いました。
ーー娘さんはよく手紙を書くの?
「お仕事お疲れ様」とか、「お腹空いてたらこれ食べて。」みたいな手紙はたまに書き置きしておいてくれます。
ーー娘さんに伝えたいことはある?
いつも仕事ばかりで家に居てあげれなくてごめんね。

コロナ禍の影響で遠出はできなかったが、ピクニックなどで一家団らんの時を過ごせたようだ。父親はインスタグラムで「これから数年経ち『パパ臭い!』や『友達と遊ぶからパパとは遊ばない』と言われ出したら大型連休は休みなく営業させて頂きます」と冗談交じりのコメントも残しているが、この愛情深さならそんな心配はなさそうだ。
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