N501Yで2週間後は新規感染者1日2000人に
「2週間後の新規陽性者数は約2000人、入院患者は6000人になる、と推計されるとしています」
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は新規感染者がほぼ全てN501Yによる感染に置き換わった場合の単純な仮の試算、としたうえでこう述べた。

東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が前回の644人から716人に増えた一方で、増加比は前回の135%から118%に減った。増加比が下がったとはいえ、感染拡大を示す100%超えの高い値で推移しているのは変わらない。
また、都の検査では、感染力が高い、とされる変異ウイルスN501Yの割合が4月12日から18日の32.3%から、19日から25日は59.6%に上がっているという。
入院2600人で医療逼迫 試算では入院6000人も
新規感染者がほぼ全てN501Yに置き換わった場合、2週間後の新規感染者は2000人、入院患者は6000人になる、との試算が出されたが、大曲国際感染症センター長は、都のこれまでの感染状況から医療提供体制の逼迫する分岐点は入院患者数が2600人に達した時として、入院患者数の急増への危機感を示した。

感染経路では、20代から50代の全ての年齢層で職場での感染が増え、それが同居する人への感染につながっている、20代では会食による感染が10%を超えていて、路上飲みを含め、会食は感染リスクが高いことを繰り返し啓発する必要がある、との指摘も出された。
医療提供体制でも「通常医療が圧迫されている」として、変異ウイルスにより40代から60代など、従来ウイルスよりも若い世代の重症化リスクが高まることへの懸念も示された。
一方、都内の主要繁華街の夜間の人出は1度目の緊急事態宣言の3倍で、このままだとゴールデンウィーク中に感染者数がさらに増加し続ける可能性がある、という。
自粛のメリットは?若者からの問いかけに・・・
「何のメリットが若者にあるんだ、と」
モニタリング会議に初めて参加したテリー伊藤さんは、若者から自粛のメリットをきかれるという。
「家にいてくださいではなく、こういう楽しみがあるから家に帰りたい、となるように」
テリー伊藤さんは解決策として、人流を抑えるためにと都が主催してオンラインコンサートを配信するなど、ステイホームを充実させるよう提案した。

エンジョイホームにしょうと・・・
「エンジョイホームにしようという議論もこれまでしてきている」
これに対し小池知事は、2020年も都は「東京動画」というHPで片付けコンサルタントとして世界的に活躍する近藤麻理恵さんの片付け動画を配信していたことなどあげた。

2021年は上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャンなどの動画や都内観光地を巡るオンラインツアーを流すという。
しかし、東京動画は新型コロナウイルスへの対応から、防災、教育、文化、スポーツ、観光、都市整備、外国語放送など項目が多岐に渡っていて、どこに何があるのか探すのが難しくみえる。
”路上飲みをしそうな人”にお酒を売らないで
「持ち込んででも飲んでやろうというのはお控え頂けないでしょうか」
小池知事は、記者会見で緊急事態宣言中は飲食店に酒類の提供をしないよう要請を出しているので、飲食店に酒類の持ち込みをしないように呼びかけた。

さらに「路上飲みは絶対にやめて頂きたい」と屋外でも感染リスクはあることを強調、路上飲みが多く見られる場所にあるコンビニエンスストアに、路上飲みをやめるよう呼びかけるポスターの掲示やレジのポップでの呼びかけを求めた。
さらに小池知事は、“路上飲みをしそうな人”への酒類の提供を控えるよう協力を求めたが、実際その見極めは難しいだろう。

「路上にテーブルを出して、”店内じゃないからお酒を提供できる”と言っている店まであるそうだ。条例や法律でないと止められないのでは。しかも、科料でなく罰金でないと無理なのでは」
ある関係者は対策の手詰まり感をこう話していた。
「ご自身のためにステイホームを」
小池知事は「変異ウイルスは若者でも重症化すると報告うけている」としたうえで、こうよびかけた。
自粛疲れに変異ウイルス、「これまでの対策では抑えきれない」というのは誰もが感じていることだろうが、結局、自分を守るためにはステイホームと基本的な感染予防対策しかない。
執筆:都庁担当 小川美那