驚きの割引率「シェア買い」とは?
加湿器が63%オフ、野菜ジュース48本セットが65%オフに…。なぜ、こんなに安く手に入るのか?いま、コロナ禍で家時間が増えた事で「シェア買い」という、ネットやアプリを活用した買い物の方法が注目されています。
この記事の画像(7枚)「シェア買い」とは、複数の人が集まって同じ商品をそれぞれ購入する事。例えば、3本セットのジュース。売る企業側からすると、1人だと3本しか売れませんが…
5人だと15本に。一度に多く売れるため、その分値段を下げることができるそう。シェアする人は家族や友達、知り合いなどを誘う場合もあれば、ネットやアプリのオンライン上で行われるため、欲しい商品を見つけて「グループ」を作成することで、周りに誘える人がいなくても、指定された人数が集まれば購入ができる仕組みになっているのです。また、アプリ上で他人が立ち上げた「シェア買い」に加わる事も可能です。
総額4万8000円得した主婦も
実際に「シェア買い」を利用している人の話を聞いてみると。主婦の古市実起さんは、これまでに日用品や化粧品、ピアスなど、複数の商品をシェア買いで購入してきました。
たとえば、不織布のマスク(51枚入り)は81%オフの298円、リップクリーム(6本セット)は74%の1680円など、16品で総額4万6000円もお得に買い物ができたといいます。購入できる商品は、日用品や雑貨にとどまらず、牛肉などの食材も。また、アプリの中にチャット機能があり、情報を拡散することで、知らない人でも簡単に誘う事ができ、イベント感覚でも楽しめるといいます。
コロナで苦境“大幅割引”…でも売上増のワケ
「シェア買い」を利用して、コロナ禍の窮地から大逆転した企業も。
広島で誕生した「くりーむパン」の名店「八天堂」です。2020年からコロナの影響もあり、店舗の縮小や休業が相次ぎ、店舗の売り上げ自体が通年の半分程度まで落ち込んだといいます。
そこで、2021年1月からシェア買いのアプリに出店。賞味期限が切迫している食パンを180セット1週間限定で出したところ、2日もかからず完売。2019年度の売り上げを超える結果になったといいます。さらに、SNSで話題になった事で、「次はいつ出品するのか」と問い合わせが殺到。広告の効果も絶大だったといいます。
人々がシェアしようとするだけで情報が拡散される事で広告費の削減に繋がり、さらに店頭で販売する人件費も削減する事もできる。消費者がお得に購入する事ができるメリットがある一方で、企業側にもメリットが生まれていたのです。
コロナ禍で変容する私たちの「買い物体験」。売り手も買い手もメリットを感じられる仕組みが広がりを見せています。
(めざまし8 4月9日放送)