災害が発生した際、急遽オフィスや避難先で寝泊まりすることになることもあるかもしれない。そんな時に便利そうなエアーマットが登場した。

テプラなどの文具を製造・販売する株式会社キングジムが4月30日に発売するのが、約1分で膨らませることができる「ポンプ一体エアーマット」だ。

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名前の通り、マット本体にポンプが内蔵されており、ポンプ部分を1分ほど足踏みするだけでマット内に空気が充填され、簡単に膨らませることができるエアーマットだ。

膨らませ方は、まずマットを広げ、ポンプ部分にある空気注入弁を開ける。その時に反対側にある空気排出弁は閉じておくことを忘れずに。

その後ポンプを足踏みして空気を入れていく。十分な空気を入れ終えたら空気注入弁も閉じるだけという作業になる。

ポンプを足踏みすると空気が入る仕組み(足元にある弁が空気注入弁)
ポンプを足踏みすると空気が入る仕組み(足元にある弁が空気注入弁)

膨らんだ時の大きさは、長さ約185センチ×幅65センチで、厚さは約7センチ。しっかりした厚みがあり、床からの振動や冷えを軽減してくれるとのことだ。ちなみに重さはマットのみで約960グラム。

そして、空気を抜いて丸め、付属の袋に入れれば、コンパクトに収納できるので、持ち運びがしやすく、置き場所にも困らなそうだ。

価格は1万780円(税込)で、通販・ECサイトを中心に販売を予定している。

コンパクトにして、持ち運びにも便利。収納場所に困らない
コンパクトにして、持ち運びにも便利。収納場所に困らない

常に近くに置いておくことができる大きさで、約1分と短時間で使用できる「ポンプ一体エアーマット」は、いざという時、寝床を確保できるという安心感を与えてくれることだろう。

では、そんな「ポンプ一体エアーマット」の実際の寝心地はどうなのだろうか? 膨らませるのに約1分とのことだが、逆に収納にはどれくらいの時間がかかるのだろうか?

株式会社キングジムの営業戦略部・販促課の坂牧悟さんに話を聞いてみた。

エアーマットの不満を解消するため誕生

ーー「ポンプ一体エアーマット」を作ることになった経緯とは?

弊社では防災関連用品の売れ行きが好調で、シリーズラインアップ拡大を検討していました。その中で、市場にあるエアーマットは「薄い…」「膨らませるのに時間がかかる…」等の問題があったので、そのような問題を解決する商品として起案致しました。


ーー製造にあたり、どういった点で苦労した?

キャンプ用品ではなく防災用品として発売をするため、長期保管を前提とした品質試験を多数実施した点です。

ゆったり足を伸ばせる大きさ
ゆったり足を伸ばせる大きさ

ーーこだわりの部分を教えて。

空気充填に要する時間が「約1分」と非常に短い点です。手動のポンプと比較した際に大幅な時間短縮につながりますし、性別に関係なく簡単に膨らませることができます。

また、弊社で既に発売済みの防災グッズと合わせて保管、管理いただけるよう個装箱のデザインを統一しています。オフィスや自宅でも一目で内容物がわかるよう工夫しています。

準備に約1分、片付けも約2分と短時間

ーー空気を抜き、収納するのにはどれくらいかかる?

25秒程度で空気を抜くことができます。そこから丸めて収納袋に入れるまでで約1~2分程度かと思います。(※個人差があります。)力はそこまで必要ではありません。

各パーツ説明 使用前は空気注入弁を開け、使用後は空気排出弁を開ける
各パーツ説明 使用前は空気注入弁を開け、使用後は空気排出弁を開ける

ーー使う際の注意点は?

ポンプを足踏みする際は一度踏むごとに足を浮かせ、十分に空気が入るまで繰り返してください。

また使用後は空気排出弁を開け、内弁を押して空気をしっかり抜いてください。内蔵ポンプが圧縮された状態のまま収納すると、再使用時に十分なポンプ機能が発揮できなくなる可能性があります。


ーー実際の寝心地はどう?

厚みがあり生地もしっかりしているので安心感があります。床の冷えや、人が歩く振動などが伝わりづらいので快適に使用できます。

しっかりした厚さがあり、寝心地は快適
しっかりした厚さがあり、寝心地は快適

ーーリリースしてからどういった反響がある?

SNSでは「便利そう」「職場で使える」「キャンプでも使えそう」などのお声をいただいております。

テレワークなどで生活様式が変化した今、ご家庭(キャンプ等)でもご使用頂けそう、との声はとてもうれしいお声に思います。今後もお客様に寄り添った商品開発をしてまいります。

個装箱、収納袋、使用時の本体とそれぞれの形態
個装箱、収納袋、使用時の本体とそれぞれの形態

キングジムでは、「お客様のお声や、環境の変化に合わせてラインアップを検討したいと思います」と、今後も防災関連用品のラインアップを強化し、オフィスや家庭における災害対策の一助になるよう努めるという。

他に道具を用意しなくて済むことに加え、すぐそばに保管しておくことができるので、いざというときに備蓄庫などに取りに行ったりという手間がかからなさそうだ。

この「ポンプ一体エアーマット」を、いざという時のための防災グッズとして検討するのはどうだろうか。安心感を手に入れることができるかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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