"都市封鎖"踏み込んだ呼びかけに戸惑いの声
都内でも急速に広がる、新型コロナの変異ウイルス。
感染力が強く、今後感染者が爆発的に増える恐れがあるとして、小池知事が「可能な限り東京に来ないで」と強い言葉で呼びかけた。
小池都知事:
毎日300万人の方が、通勤通学で都内と首都圏での往来がある。特に都外にお住まいの皆様方には、エッセンシャルワーカーなどどうしても出勤が必要な方以外は可能な限り東京に来ないでください。
この"都市封鎖"にも近い踏み込んだ呼びかけに、都外からの通勤客からは戸惑いの声が上がっている。
鎌倉から通勤・営業職(30代):
東京に住んでいる方だけが東京で働いているわけではなくて、成り立たないでしょうね。(移動を)完璧にゼロにするのは厳しいのかなと思います。
神奈川から通勤・IT関係(50代):
(テレワークは)できればしたいですけれども、ちょっと無理な場合もあるんじゃないかなと思ってます。出社しないと仕事にならないような方だったら、せざるを得ないと思ってます。
さらに小池知事は15日、都民に対してこうも呼びかけた。
小池都知事:
毎日のお買い物をたとえば3日に1回程度に減らしてください。かつての緊急事態宣言ができた頃、皆さんも緊張しながらご協力いただいた。そのことを思い出していただきたいと思います。
緊急事態宣言が最初に出された2020年の春にも呼びかけた、3日に1回の買い物。
今回、改めて少人数・短時間での買い物や、通信販売の利用を求めた。
都内のスーパーに訪れた買い物客は…
ほぼ毎日買い物をする人(80代):
ほとんど毎日ですよね。1週間のうち5日間はだいたい来てますね。傷まないものであれば、3日しか来ないことで済むのであればそのような買い物に切り替えていこうかなとは思います。
3日に1回買い物をする人(50代):
(感染が)落ち着いた頃には毎日来たりとか少しずつ量を減らしてきたりとかしましたけれども…3日くらいの分量を買う感じですかね。ストックできる野菜は多めに買ったりしてます。
スーパーの特売日にも"待った"?
そんな中、「アキダイ関町本店」では、コロナ禍で負担のかかる消費者のために毎週日曜日に特売を行っているという。
アキダイ・秋葉弘道社長:
特売日はお客さんも楽しみにしてますし、生活を少しでも応援できるひとつのツールだと思っています。
店では次の特売日に向けて次々とチラシが印刷されていたが…
小池都知事:
スーパー、商店街の大売り出しとかチラシひとつとってみても、催し物が人流の拡大につながるという懸念が。
アキダイ・秋葉弘道社長:
(買い物を)3日に1回とか、特売日を頭ごなしにやめろというのはちょっとどうかなって。「スーパーは安全な場所です」と僕は言いたいですね。
秋葉社長は人の流れを減らすことに理解を示しつつも、今回のような呼びかけをきっかけに「スーパーは危険な場所」という印象が広がることを危惧しているといい、来週以降の特売については要請に応じ、中止も考えているという。
終わりの見えないコロナ禍の生活には、こんな本音も聞かれた。
50代女性:
嘆きはありますね。嫌になってきますけどね。見えないところでストレスとかもたまっていくでしょうし。1年経って限界に来ているのかなっていうのはありますね。
加藤綾子キャスター:
今できる対策をしないと感染を食い止められないと思うので、呼びかけをすることは分かるんですけれども、チラシに対しての呼びかけっていうのはお店に対して不公平感がないようにしてほしいですよね。守ったほうが損をすることがないよう…
明治大学・齋藤孝教授:
スーパーが危険な場所だという科学的な根拠というものははっきりしないわけですよね。小池都知事の「東京に来ないで」という発言が反響を呼んでいますが、「東京から来ないで」というふうに思っている人も多いと思うんです。言い方の問題ですけれどね。
ゴールデンウィークも、出るな出るなというだけじゃなくて、私だったら「ゴールデンウィークは読書週間に」ということで。ポジティブに行くのも必要かなと。
加藤綾子キャスター:
印象がかなり変わりますよね。人の流れを止めるために必要なのは買い物だけではないと思うんですよね。テレワークも呼びかけられていますが、もっと企業に対して要請するなど大きな人の流れを変えていかなければと思います。
(「イット!」4月16日放送分より)