岐阜の伝統文化「鵜飼」や和菓子人気への願いもかけ…

3月26のプロ野球開幕を前に、ドラゴンズのペナント制覇を願い、キレイなお菓子が登場した。手掛けるのは、百年以上の伝統を持つ岐阜の和菓子店。老舗とドラゴンズのコラボ、伝統の和菓子に新たな風を吹き込んだ。

寒天で作られた水色の「竜」。丸呑みしようとしているのは「コイ」に「ツバメ」など、プロ野球セ・リーグの各球団にちなんだシンボルたちだ。

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この和菓子の名前は「下剋上竜」。2011年以来、10年ぶりのペナント奪取を狙うドラゴンズによる下剋上が、和菓子で表現されている。

手掛けたのは、明治41年(1908年)創業の「玉井屋本舗」。

玉井屋本舗といえば、卵をたっぷりと使ってふわふわに焼き上げたカステラ生地で求肥を包んだ和菓子「登り鮎」。鮎菓子の元祖だ。

その玉井屋本舗が今回、ドラゴンズとコラボレーションすることになった。

下剋上竜の考案者の白木さん:
若者の和菓子離れがあるのかなと考えております。どうにか若者に振り向いてもらえる和菓子、もう少しとっつきやすい和菓子というのを考えていく

またコロナ下で、お土産としてや出張のお持たせとしての販売がほとんどなくなったこともあり、新たな挑戦をすることになった。

玉井屋本舗の玉井社長:
(下剋上竜は)他の商品とあまりにも違いすぎる、ちょっと冒険ですね。今度のは冒険です

小さな子供からお年寄りまで、色々な人たちが応援するドラゴンズ。幅広い層に喜んでもらうためにはどうしたらいいのか、若い力を借りることにした。

エンターテインメントの開発を手掛ける「sporise」の白木佑典さん(34)。白木さんは玉井社長のお姉さんのお孫さんだ。

白木さん:
伝統文化に若者の力を乗せて新しく世に出すということは大切にしています

白木さんが玉井屋本舗の商品をプロデュースするのは、今回が初めてではない。

白木さん:
社長の方から、岐阜がフォーカスを浴びるので、「麒麟がくる」とか大河ドラマにちなんだ和菓子を開発してくれないかと

そこで生まれたアイデアが「下剋上」だった。明智光秀と言えば本能寺の変。戦国最大と言われる下克上だ。

鵜飼いで1300年にわたり鵜に飲み込まれ続けてきた鮎が、光秀のように謀反を起こしたら…

下剋上のアイデアを鮎菓子の玉井屋らしく形にしたのが、その名もズバリ「下剋上鮎」。

リポート:
すごくしっかりした歯ごたえです。固めのクッキーのような食感で、噛んでいくとどんどん豊かな抹茶の香りが広がっていきます

SNSで「かわいい」「発想が斬新」と若者から上の世代に広がり、たちまち店の看板商品の仲間入りを果たした。

満を持して送り出す、下克上シリーズ第二弾、それがドラゴンズの優勝を願う「下剋上竜」だ。

和菓子になじみの薄い子どもたちにも食べてほしいと、映えや味にも一工夫。

ドラゴンズを象徴する「水色の竜」は、和菓子でありながらもさわやかなミント味に。
竜に丸呑みされる「赤いコイ」はさくらんぼ味、「朱色のツバメ」は黒糖味、2020年の覇者ジャイアンツはオレンジ味の「ウサギ」。

セ・リーグ制覇の願がかけられているが…

白木さん:
鵜飼いという伝統文化も、2020年に関しては始まるのも延期になりましたし、始まっても時短になって。岐阜自体も日本全体もそうですけど、今すごく寂しくなっています。アゲインストな状態でも老舗が頑張るよというスタンスを、地元の川原町の皆さまに伝えられるようなことが必要だと思う

「下剋上竜」は、1箱5チームの和菓子が入って1620円(税込)。3月26日からの販売。

(東海テレビ)

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