河野太郎規制改革担当大臣のツイッターのある投稿に1万以上の「いいね!」がついた。それが以下のツイートだ。

「井上信治国務大臣が閣議で署名する花押にハートマークがついているのが毎回、和む。」

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花押とは、古来使われている、図案化された署名の一種で、戦国武将のものなどが有名だ。内閣官房のホームページでは、その形が花文様に似ていることから「花押」と呼ばれ、「閣議書に閣僚の意思を表わす花押を毛筆で書くことが内閣制度創始以来の慣習となっている」と説明されている。すなわち政府において花押は、閣議決定のための閣僚の“サイン”のことである。

今回FNNは井上大臣に「花押のハートマーク」の真相を直撃した。

記者:
Twitterで河野大臣が、井上大臣の花押がハートマークに見えると。河野大臣から何か言われたことがあるんですか?

井上大臣:
私の閣議の席が河野大臣の隣で、私が花押を書いてて、河野大臣に覗き込まれて、確かにそういったことを言われました。

そこで実際に花押を書いてもらった。

確かに浮かび上がるハートマーク!こんなかわいらしい花押はOKなのだろうか?そう怪しんでいると、井上大臣はこの花押は有名な書家の先生に作ってもらったことを明かした。しかし有名な書家がこんなお茶目な花押を作るのだろうか?真相を確かめるべく「見本」を見せてもらい“徹底追及”した。

記者:
見本はどういった花押だったんですか?

井上大臣:
ここのこの部分がだんだんハートに進化していったっていうことになります。

記者:
見本はちょっとハートマークとは言い切れない。

井上大臣:
そうですね、「傘」といえば、ここが長ければ傘に見えるかもしれませんけど。

見本の段階ではハートマークは浮かび上がってこない。これは井上大臣が勝手に変えてしてしまっているのではないか?そこでこの花押の成り立ちを質した。すると…

井上大臣:
それぞれ名前をアレンジするんですけれども、私の場合は井上信治の「信」、信じるという字をアレンジした形なんです。先生から言われたのは、あくまである意味モデルとしてそれを作っていただいていて、あとは自分が使っていく中で、少しずつアレンジというか、使いやすいように変えていっても構わない、だんだん変わっていくものだというふうに言われたんです

しっかり書家のお墨付きをもらっていることが判明した。さらに、この自分だけのアレンジは、同じ麻生派に所属する河野大臣とのあるやりとりから生まれたという秘話があった。

井上大臣:
最初やってるうちにですね、河野大臣が私のこれをのぞき込みましてね。最初はなんか「井上さんの花押は相合傘みたいだね」って言われまして、難しい「傘」っていう字に似てるって、しかもハートマークがあるっていうふうに言われて。全くそんなことを思ってなかったんですけれど、言われてみればそうかなと思いまして。それだったらハートマークっていうのも、なんかこう明るくて平和な感じがしていいかなと思ったものですから。少し河野大臣から言っていただいたんで、ますますデフォルメしてちょっとハートマークにしてみたということです。

井上大臣は最後に、自らが所属する派閥の長、麻生財務大臣の花押にある秘密も教えてくれた。

井上大臣:
私が伺ってすごいなと思ったのは、麻生財務大臣の花押はよく見ると、カタカナでタロウって書いてあるんですね。花押にカタカナありなのか…ってちょっと思いましたけれど。それぞれ皆さん工夫を凝らして花押をやっておられますね。

閣議のたびに閣僚が記している花押。そこには、それぞれの政治家の性格がにじみ出た様々なこだわりが秘められていた。

(フジテレビ政治部 杉山和希)

杉山 和希
杉山 和希

義理と人情とやせ我慢を大事に取材に励みます
報道局政治部 首相官邸&麻生派担当。1992年岐阜県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、2015年フジテレビ入社。「情報プレゼンターとくダネ!」ディレクターを経て現職