新型コロナの影響で、痛手を受けた飲食店も多くある。
そうした中でも、攻めの姿勢で活路を見出そうと動いたお店が広島・呉市にあった。

呉のソウルフードを提供する人気店

呉市の中心部、多くの店舗が軒を連ねる「中通商店街」。
通称「れんがどおり」として親しまれるこの商店街のすぐ側に、観光客に大人気のお店がある。

たまや・空たまみさん:
こちらが人気の「呉海自カレー」。海上自衛隊に入隊した隊員達が初めて食べるカレーなんですけど、うちの場合は素揚げした茄子をトッピングしてあるのが特徴です

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呉のご当地グルメとして知られる「呉海自カレー」や、魚のすり身を揚げた呉のソウルフード「がんす」をバンズに挟んだ「呉海自がんすバーガー」。
さらに店内には…

たまや・空たまみさん:
これは各船とか部隊の部隊帽です。船が変わると部隊帽も変わるので置いていってくださったりとか、自分の部隊のがなかったら、持ってきていただいたりとかしています。(客層は)自衛隊ファンの方とか、現役自衛官も多く来てくださっています

2014年のオープンから7年。
地元の人にはもちろん、呉を訪れる観光客から愛されてきた「たまや」。
しかし現在、お店の中にその賑わいはない。

ーーコロナの影響は?

たまや・空たまみさん:
緊急事態宣言が出た時にかなり減って、呉でクラスターが発生してから、夜全然人が歩いていない… 。今年に入って、さらに人が歩いていない…。お酒とかが出ると金額的には夜の方が大きいんですけど、今お酒を飲みに出られる方が少ないので、かなり厳しい感じですね

たまや・空たまみさん

コロナで収入減…キッチンカーで販路拡大

街から賑わいが失われた今、かつて経験したことのない苦しい状況に追い込まれた「たまや」。
そんな中、厨房をのぞいて見ると、ご主人に見守られながら奥様が焼いているのは、クレープの生地。

実はこれ、お店で提供する新メニューではない。
とある日の朝、大量の食材を準備し、車へと荷物を積み込むご夫婦。
鮮やかなブルーの可愛らしいこのトラックをよく見ると…そう、これはクレープを販売するキッチンカー。
実は2021年1月からお店を営業する傍ら、キッチンカーでのクレープ販売をスタートさせていた。

ーーキッチンカー営業を始めた理由は?

たまや・空たまみさん:
売上げが減ったので、販路拡大のためにキッチンカーを思い切ってつくりました

ーーなぜクレープ店に?

たまや・空たまみさん:
呉であまりクレープ店を見なかった、呉なのでクレープ

新たな呉の名物になればと、キッチンカーでのクレープ販売に挑戦する夫婦。
仕事の空き時間を使って練習の日々を送りながら、現在は「たまや」の定休日である毎週火曜日に、飲食店仲間で「シティプラザすぎや」の一角を借りて営業している。

シティプラザすぎや・谷本直樹さん:
いろんな飲食店が苦しい想いをしていると思うので、コロナに負けずに乗り越えていこうという気持ちで一緒に頑張ってます。どのお店も来客数というのが減っていると思うので、待っているだけの商売じゃなくて、こちらからアプローチしていく。いい例に「たまや」さんがなってくれれば、呉ももっと活気づくと思う

シティプラザすぎや・谷本直樹さん

応援してくれる仲間と共に新たな挑戦へのスタートを切った「たまや」のキッチンカー。
その評判は…

お客さん:
うれしいです。子供も喜ぶし。今あまり出かけられないので、近所でパッと来られるのがいいです

お客さん:
チョコの甘味とアーモンドのカリカリ食感がよかった

ーー今日ここに来たのは何で来た?

お客さん:
クレープ屋さんが来てるって聞いたから

ーー口の周りにいっぱい(クリームが)付いてるよ

お客さん:
ティッシュ持ってくるの忘れた。わ~鼻についた

「やるしかない!」挑戦し続ける夫婦

お店に人が来なくなった中、そこで立ち止まるのではなく前を向いて挑戦し続ける。
空夫婦が営業するスカイブルーのキッチンカー「SoraCafe」は、呉の街に元気と笑顔を届ける。

たまや・空たまみさん:
人と人とのつながりに感謝。お店をやっていたので、そこで知り合ったお客さんとかも来てくださったりして、ほんと皆さんに感謝です。今後は、道の駅さんとか呉市以外のところにも出て、呉市をアピールしていきたい。コロナが落ち着いてイベントとかが始まったら出店していきたいなと

ーー自信は?

たまや・空たまみさん:
そうですね…いやもう、やるしかないのでやっていきます!

(テレビ新広島)