30年営業で活躍…アルバイトから老舗食品メーカー「井村屋」初の女性社長へ

環境や経済、貧困や差別など世界が抱える様々な問題について、2030年までに達成しようという取り組み「SDGs」。その目標の一つが「ジェンダー平等を実現しよう」。

政府は、女性の社会進出を促進しようと「早期の女性管理職30%以上」を目標に掲げているが、現状はまだ7.8%あまりに留まっている。

三重県の老舗食品メーカー「井村屋」で、育児をしながら営業で活躍しトップに昇り詰めた68歳の社長、中島伸子さん。
女性の活躍を阻む目に見えない「ガラスの天井」に惑わされないでと、女性たちの背中を押す。

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三重・津市。あずきバーでおなじみの創業125年の井村屋グループで2019年、初の女性社長が誕生した。中島伸子さん(68)だ。

中島さん:
一生この会社で思う存分やってみたいって、結婚する時の主人との約束は「一生働き続けたい」と言いました

24歳でアルバイトとして井村屋に入った中島さん。3人の子供を育てながら30年間、営業で活躍。毎日、苦労ばかりだったという。

中島さん:
玄関でご挨拶をしたら「なんで女なんかよこすんや」とおっしゃって、「俺の会社も低く見られたもんや、女の営業マンなんていらん」って

「男に負けるもんか…」かつては、そう思っていた中島さん。客への接待のため必死で覚えた手品も、今では笑い話。

中島さん:
「へたくそな手品見せられて、俺ら我慢して見てたわさ」って言われます。女性だからっていう鎧を脱ぎ去ると、もっと見えるものがいっぱいあったなと。すごくいい勉強させてもらいました

もう少し、自分の主張を言ってみる…「女性は“ガラスの天井ある”に惑わされないで」

政府は「女性管理職30%以上」を目標に掲げているが、未だ7.8%程度に留まる。帝国データバンクのアンケートによると、女性の活躍を進めるためには、妊娠や子育ての支援や、長時間労働の削減、テレワークの推進などが求められている。

井村屋グループでは、昔は多かった寿退社もほとんど無くなり、現在ではほぼ100%の人が出産後も職場に復帰している。そして5年間女性だけの研修を続けてきた結果、たくさんの女性管理職が誕生している。

社会には女性の活躍を阻む、目に見えない「ガラスの天井」がある。そう言われているが、中島さんは…

中島さん:
「ガラスの天井がある」「何々がある」こういうことに女性は惑わされないでほしい。行動することだけじゃなくて、会議の中で発言したいけど遠慮したっていうのを、もう一歩言ってみる

「自分の主張をしっかり言う。そういう雰囲気を周りに作ってもらう。今がチャンス」と中島さんは女性たちの背中を押す。

(東海テレビ)

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