逆に新鮮?“巣ごもり”でボードゲームが人気
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ集中対策で、親子で巣ごもりが続く家庭も多い中、2020年春からボードゲームの人気がじわじわと広がっているという。
保育園の自由時間。子どもたちが夢中で遊んでいるのは、さまざまなカードゲーム。こうしたカードやオセロ、すごろくなどのボードゲームを自宅でする時間が今、増えているという。

背景には、新型コロナの感染拡大があった。業界1位のおもちゃメーカーは…
バンダイ アジアトイ戦略部マーケティングチーム・中渕翔太さん:
2020年の4月以降で言いますと、売り上げが(前年比)400%アップしている状況になっています。過去ずっと展開してきている「元祖ドンジャラドラえもん」。2020年大ヒットした鬼滅の刃から、ドンジャラシリーズや札取りカードゲームを出して、その辺が売り上げをけん引いたしました

広島市内で20年以上続くおもちゃ屋さんも、反響に驚きを隠せない。
広島市安佐南区長楽寺の「木ままや」では、創業当時からボードゲームの魅力に注目し、海外製品を中心にたくさんの商品を扱ってきたが、2020年春以降は、全国からの注文も相次いだ。

木ままや・掛谷久美店長:
最初から電子的なゲームに慣れているお子さんからすると、逆に珍しかったり、トランプもないお家も増えている中で、こういうアナログなゲームが逆に新鮮なのかなと思ったりしますね、お母さん世代にも

元保育士の店長お薦めは…親子で楽しむゲーム
元保育士の掛谷さん。幼稚園や保育園へ、子どもたちの成長につながるゲームを伝えている。そんな店長に、何千種類もの中から親子で楽しむ初心者お薦めのゲームを教えてもらった。
木ままや・掛谷久美店長:
まず最初は、「にじいろのヘビ」です。こちらは運のゲームなので、その日に運が良かった人が勝てます。3歳の子が高校生に勝つこともあるし、年齢差が関係ないので、家族で楽しんでいただけます

カードを裏にして重ね、1枚ずつ引いていく。違う色の場合は、違うヘビをつくり、さまざまな色のヘビの体をつなげていく。
くっつけていくと、どんどんヘビの体が伸びて長くなってきたが…
木ままや・掛谷久美店長:
頭が出ました。これを置くと1匹が完成しました。この枚数全部もらえます
このようにして、最後にカードを一番たくさん持っていた人が勝ちとなる。

老人ホームなどでも人気で、祖父母世代が、お孫さんと遊ぶのにもお薦めだという。
木ままや・掛谷久美店長:
続いては、「雲の上のユニコーン」というすごろくです。すごろく自体も割と短いのと、ポイントは、サイコロが3までしかない。5とか6がないので、2歳後半から3歳のお子さんも家族で一緒にできます

通常のすごろくのように、サイコロの目に従って進んでいくが…
木ままや・掛谷久美店長:
ピンクの雲に乗ったときだけ、ピンクのサイコロが触れます。そしたら私は、クリスタルがもらえます。たくさん集めた人が勝ちです
このキラキラ輝くクリスタルが、子どもたちに人気だという。

ゴール後は盤を裏返し、獲得したクリスタルを1つずつ並べていく。
木ままや・掛谷久美店長:
視覚で勝ち負けが1番の人、2番の人と分かるようになります
テレビ新広島・石井百恵記者:
数の勉強にもなりますね
最後は、「スピードカップス」。
木ままや・掛谷久美店長:
瞬発力や観察力、手の器用さも必要になってきます。もう“全集中”です

プレイヤーは、それぞれ5色のカップを持ち、出たカードを見て、同じ色の順番に並べていく。
木ままや・掛谷久美店長:
できた瞬間に…(ベル音)
テレビ新広島・石井百恵記者:
ベルがね、だから真ん中に置いてあったんですね
木ままや・掛谷久美店長:
ぼーっとしていたらだめです
早速チャレンジすると…、石井記者も思わず童心に帰って遊んでしまった。

木ままや・掛谷久美店長:
どういう力が身につくということも、もちろん大事だけど、何よりも、そうやってみんなが輪になって、笑ったり、泣いたり、怒ったりというのを共有していく。そういう時間が大事なんじゃないかなと思います
ボードゲームは「忙しい保護者にこそおすすめ」
保育士だった掛谷さんが23年前、店を開いたきっかけは、子どもの発達を促すおもちゃとの出会いだった。
木ままや・掛谷久美店長:
ここにあるものって、何も投げかけてくれなくて。動かないし、音もしないし。ですけど、子どもたちが一度手を入れたり、頭で考えて工夫し始めると、すごく広がりがある。子どもが主役になって、主体的に遊べるおもちゃが多い
一方で、短時間に集中して楽しむボードゲームは、忙しい保護者にこそおすすめだという。

木ままや・掛谷久美店長:
ご飯を食べて寝る前に、1つ選んだゲームをする。そうしたら、「早く寝なさい」で1日が終わらなくて、笑ったり泣いたりしながら向かい合ってゲームをする時間が少し、10分、15分でもあって、本当に宝物のような時間だったというか。その時間をとることで一番救われたのは、たぶん自分だと思います

(テレビ新広島)