感染者数“下げ止まり”…宣言「再々延長」は?

3月12日、新型コロナウイルスの新規感染者数が304人となった東京都。
東京都では4日連続、前週の同じ曜日よりも感染者数が増えている。

そんな中、田村厚労相は12日の会見で緊急事態宣言の再々延長についてこのように述べた。

田村厚労相:
1都3県下げ止まり、もしくは増えている兆候。これ以上増やさないという体制を組んでいくことを前提に、解除をするかどうかということを最終的に判断をするのだと思います。

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加藤綾子キャスター:
新規感染者数がなかなか下がらないのはなぜなんでしょうか。

獨協医科大学・日本ウイルス学会評議員 増田道明教授:
おそらく都民の方・周辺県民の方もできること、やれることはすべてやり尽くしているという状況かと思いますが、一般的にゼロにするというのはなかなか難しいんですね。
特に新型コロナウイルスのように症状のない感染者の方の比率が高いようなウイルスでは難しいという、そういったことを反映しているんじゃないかと思います。

加藤綾子キャスター:
なかなかゼロにするのは難しくても、現状少し増えてるんじゃないかというのはとてもちょっと心配な状況だと思うんですけれども…やはり人の流れを止めないといけないということなんですかね。

獨協医科大学・日本ウイルス学会評議員 増田道明教授:
数字の上では増えてますけれども、きちんと解析をして意味のある増加なのか、あるいはたまたま増えているのか。これは背景をもう少し厳密に見てみないとわからないと思います。
さらに減らせるということがあるとすれば、お一人お一人が自分を守るというスタンスでの行動、これを心がけるということ。これぐらいしかないのかなというふうには思います。

「イギリス型」は死亡リスク2倍

そんな中、止まらないのが変異ウイルスの増加。
変異ウイルスが確認されていたのは3月11日までには25都道府県だったが、12日には徳島県で新たに9人が感染。
さらに大阪では5人が追加され、現在26都道府県で変異ウイルスが確認されている。

独自に調査をしている神戸市によると、2月12日~18日にかけての検査数に対する変異ウイルスの割合は15.2%。
2月26日~3月4日にかけては38.8%と、拡大を続けていることがわかった。

国内で発見された変異ウイルスは、9日時点で271例。
そのうちイギリス型は260例、南アフリカ型は8例、ブラジル型は3例と、そのほとんどがイギリス型と言える。

イギリスのエクセター大学などの研究によると、この「イギリス型」の変異ウイルスと従来型のウイルスに感染した人それぞれ5万5000人ずつを調べたところ、従来型ウイルスによる死者は141人。
一方でイギリス型による死者は277人と、イギリス型の方が死亡リスクが1.3~2倍という結果が出ている。

加藤綾子キャスター:
これまでに比べて感染力が強いことに加えて死亡リスクも最大2倍となると、より警戒しないといけないですよね。

獨協医科大学・日本ウイルス学会評議員 増田道明教授:
そうですね。この論文自体は信頼できる学術雑誌で報告されていますので、重く受け止める必要があろうかと思います。
ただ、実はこの5万5000人の中には、無症状で感染していた人が含まれていません。ですからそういった人たちがどれくらいいたかによっては致死率何%という数字は変わってこようかと思いますので、今後の動向も注意する必要があると思います。

加藤綾子キャスター:
神戸市は独自に変異ウイルスの調査をしていますけれども、検査数を増やした方がいいのかなと思うのですけれどもそこについてはどうですか。

獨協医科大学・日本ウイルス学会評議員 増田道明教授:
そうですね。ゲノム解析という技術も以前に比べると自動化が進んで一般化してきていますので、例えば民間の医療機関でも栃木県などではご自身のところで解析を始めているところもあります。そういう形で早めにゲノム解析が行えれば、ウイルスの性質であるとか広がりといったことを早めに把握して対策をとることができると思います。

加藤綾子キャスター:
こうなってくる再々延長という可能性もあるような気がします。

明治大学・齋藤孝教授:
変異ウイルスの割合が高まっていますよね。検査数を増やして実際の分布の実態を把握するのが必要ですよね。東京が多くなれば解除は難しいですよね。

加藤綾子キャスター:
実態を把握して何か対策をということですね。

(「イット!」3月12日放送分より)