「台湾PT」設置で政府に代わり日台外交強化へ

自民党は5日、外交部会・外交調査会の合同会議を開き、佐藤正久外交部会長は、台湾政策について「議員外交をしっかり行う必要がある」として「台湾を巡る外交・安保に関するPT(プロジェクトチーム)」を立ち上げると表明した。

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佐藤氏はこの「台湾PT」について、米バイデン政権が「対中政策5本柱」として人権外交・台湾政策を掲げ「同盟国と連携しながら進めたい」と呼びかけていることを踏まえての立ち上げであると明らかにした。

また1月に中国の軍用機およそ19機が台湾の防空識別圏に侵入したことにも触れ「台湾政策は、日本政府はなかなかやりづらい部分でありますので、議員外交をしっかり行う必要がある」と設置の意義を強調した。座長には、佐藤氏自らが就任する。

日本と台湾は、1972年の日中国交正常化に伴う国交断絶後、表立った政府間交流が途絶えた一方で、民間レベルの相互交流は盛んに行われている。また議員外交では、安倍前首相や小泉進次郎環境相らが局長を務めた自民党の青年局や、古屋元国家公安委員長や岸防衛相らがまとめる超党派議員連盟「日華議員懇談会」が台湾側との交流を重ねてきた。

蔡英文氏のtwitterより

こうした中で、佐藤氏は「議員連盟や青年局と連携しながら一体となって自民党の台湾に対するあるべき姿を示したい」と強調。会合では、アメリカの台湾関係法のような議員立法の制定を求める意見等が出た。佐藤氏は自民党の外交・国防の両部会長と台湾側とで“議員レベルの2+2(外務・防衛担当者協議)”を開催することにも意欲を示した。緊迫する東アジア情勢の中で台湾の存在意義を再確認する狙いがある。

ミャンマー軍事クーデターで政府が見送った「非難」を決議 ここにも中国の影

また会議では、ミャンマーの軍事クーデターに対する「非難決議」を採択した。佐藤氏は「(茂木)外務大臣の談話には“クーデター”“非難”という言葉が入らなかった。G7外相声明の中には入ったが、こういうちぐはぐというのはやはりメッセージ性としてどうかと思う」と外務省の姿勢に疑問を投げかけた。そしてその背景として、日本とミャンマーの深い関係と東南アジアへの影響力拡大を狙う中国の影があることを指摘しつつ、次のように述べた。

「G7の中でミャンマーの軍部にパイプを持っているのは日本だけという状況がある。ただ、ミャンマーを中国の方に追いやることを避けるために“非難”とか“クーデター”という言葉を使わないのはおかしい」

その上で佐藤氏は、「日本の外交がミャンマー軍部といかにすりあわせをしながら民主化のプロセスを行っていくのか、日本外交の大事な局面だ」と強調した。

決議文では「ミャンマー国軍は多くの政治指導者や市民社会活動家を拘束し、通信や報道を制限するなど、民主化プロセスに逆行する行動をとっており、我々は重大な懸念を表明し、強く非難する」と指摘。 “アウン・サン・スー・チー国家最高顧問等の不当に拘束された関係者を速やかに解放するよう、ミャンマー国軍に強く求めること”や“ミャンマーへの経済協力を含め、対ミャンマー外交のあり方を国際社会の動向等を踏まえつつ対応を検討すること”などを政府に強く求めた。

こうした自民党の動きを受け、今後、日本政府が対ミャンマー外交、とりわけ民主化プロセスの維持・推進に向けて、積極的な役割を果たせるか注目される。

(フジテレビ政治部 門脇功樹)