国の家族や友人の無事を願って

「不服従」を示す”三本指”を掲げた民衆や、内戦から逃れるため村々を転々とする家族。いずれもSNSで世界へ拡散されたミャンマーの今を映した写真だ。

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2021年2月1日に発生した軍事クーデターから1年がたった。今もミャンマーでは民主化を求める人々への軍の弾圧が続いているが、新型コロナウイルスの影響などもあって、国際的な関心は減ってきている。そんな現状を少しでも変えたいと、故郷から遠く離れた沖縄から切実な声が上がっている。

ミャンマー人男性:
自分の国は今どうなっているか、自分の家族、安全に生活しているかどうか、いろんな不安がいっぱいの1年でした

ミャンマー人女性:
私の友達も死にました。とても悲しいです

軍事クーデターから1年になるのに合わせて開かれた抗議集会。ミャンマー国内で呼びかけられた「沈黙の抵抗」と呼ばれる行動に合わせたもので、沖縄で暮らすミャンマー人約10人が、民主化運動を弾圧する軍を批判した。

2022年2月1日
2022年2月1日

同時に開催された写真展にも多くの人が関心を寄せていた。

写真展を訪れた人:
まずはとにかくみんなが知ること。こういう催し物というのは、それを通してみんながわかってくれる、知ってくれる。それが大事かな

写真展を訪れた人:
悲惨な戦争を経験した沖縄だからこそ、沖縄県民はもっと世界で起きているこういった状況に対しても敏感になって、自分たちは何ができるかなというところまで、考えられるようにならなければと思います

ミャンマー人 トウ・ヤ・ソウさん:
何もしないわけにはいかない。だから僕らは自分の国を取り戻さないといけない

”身元特定されない”を条件に取材に応じたミャンマー人女性

ふるさとの現状を憂うミャンマー人たち。なぜ彼らは、遠く離れた異国の地から故郷の民主化を求めるのか、私達には想像できない現状がある。沖縄本島南部で暮らしているミャンマー人を訪ねた。

ディレクター:
おはようございます。今日はよろしくお願いします

ミャンマー人 イさん(仮名):
よろしくお願いします

日本語を流ちょうに話すのは、ミャンマー人のイさん(仮名)。故郷にいる家族や友人にも危険が及ばないよう、今回、身元を特定できないようにするという条件で取材に応じてくれた。

ディレクター:
沖縄の方言とかは?

ミャンマー人 イさん(仮名):
沖縄の方言は「いちゃりばちょーでー」という言葉が好きですね。一度会ったらみんな兄弟

ミャンマーの家族へ仕送りするため、自炊して生活費を切り詰めている。最近は沖縄でも調味料が手に入るようになり、故郷で食べていた味付けに近づいているようだ。

ミャンマー人 イさん(仮名):
ミャンマーは炒め物に醤油とかかけないですけど、私はかけたり…。私の料理はミャンマー人にはおいしくはないはず

国際社会からも軍事政権を非難してほしい

日本語を学ぶために沖縄にやってきたイさん(仮名)。キャリアを積んで将来はミャンマーに進出する海外企業で働くことを夢見ていたが、2021年にその夢は崩れ去った。

ミャンマー人 イさん(仮名):
朝、仕事に行っていて休憩の時間に、ちょっと家族に連絡しようとみようと思って、やったら繋がらなくて。その時にニュースを見てわかった。軍事クーデターが起きたと、その時は結構ショックが大きくて。何カ月前か、ミャンマーの都市・ヤンゴンで若者たちが軍に捕まえられる寸前、5人ぐらいがビルの上から飛び込み自殺を決めました。それぐらい、軍に捕まえられるより、死の道を選ぶという考えです。捕まえられたら何をされるかわからない

イさん(仮名)ら海外で生活するミャンマー人の情報源は、主にインターネット。「AAPP」と呼ばれるミャンマーの人権団体のホームページには、軍の弾圧で命を落とした犠牲者の数が日ごとに更新されていく。

ミャンマー人 イさん(仮名):
私たちの国の民主化、正義のため、自分たちでも戦いますけど、国際社会からももっと圧力とかかけて頂ければ、犠牲者もそんなに出ないで早く平和になります。なので、日本人の皆さまには、もっとミャンマーの情報とかを聞いて、国際社会からももっと軍事政権を非難してほしいなと思います

民主主義を求めて、そして力に屈しない意思を示す「3本指」に込めた祈り。遠く離れた沖縄からミャンマーを思う、静かな戦いが今も続いている。

(沖縄テレビ)

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