新型コロナウイルスの感染拡大により、売り上げがおよそ9割減少したケータリング会社が、オンライン飲み会に活路を見いだした。

オンライン飲み会用のフードボックス

2021年の初めに行われた、企業のオンライン新年会。

この記事の画像(21枚)

そこで食べられていたのは。

寺岡唯史さん:
エビとホタテのビスクというのが、すごくおいしくて

2020年3月から在宅勤務をしている、セキュリティサービス企業のブロードバンドセキュリティに勤める寺岡唯史さん。

会社の新年会に、子どもたちと参加した。

新年会で食べているのは、オンライン飲み会用のフードボックス「nonpi foodbox」。

9種類のアラカルトに、ピンチョス。
デザートや飲み物などが届く。

子ども:
おせち料理みたいで最初はうれしかったけど、食べてみると、もっとうれしかった!

寺岡唯史さん:
クオリティーが高いというのと、思ったより量が多かった。
同じものをみんなで共有できるというのは、新しい試みで楽しかった

このフードボックス、社員それぞれが、送り先の住所や注文したい飲み物を登録フォームから入力するため、会社側の業務負担が少ないのが特徴。

ブロードバンドセキュリティ管理本部 経営企画部・高橋さぎり課長:
希望する別の住所となったときに、こちら側で把握するのは、なかなか手間。
それを個人がシステム上でできるのが、非常に役立った

運営するのは、ベンチャー企業のnonpi。

nonpiは、もともと企業向けのケータリングサービスなどを行ってきたが、新型コロナの影響で、売り上げが約9割減少。

そんな中、生産体制を生かして新たに始めたのが、オンライン飲み会用のフードボックス。

このフードボックス、オンライン飲み会用にある工夫がなされていた。

オンライン用に「大きさ」を工夫

nonpi・中矢誠一取締役:
ケータリングというのは、コミュニケーションを訴求する役割を担っているが、オンライン下で気をつけたのは、画面越しに顔が見えてしまうので、1つ1つの大きさをこだわってサイズを調整したり、コミュニケーションを邪魔しないような設計を心がけて商品開発した

この食事、よく見ると、1つ1つが小さく作られている。
これによって、食事が会話の邪魔をすることなく、また、食べる姿が映る際もきれいに見えるのだという。

このフードボックス、サービス開始の2020年8月からおよそ5カ月で、1,700社もの企業が利用した。

今後は、オンライン飲み会の運営サービスなども行っていきたいという。

nonpi・中矢誠一取締役:
遠方の方々とのコミュニケーションとか、今まで飲み会に行きたかったけどいけない状況の方は、オンライン飲み会を開催していくことによって、新たな飲み会の場を提供できると思っていて。
新たなコミュニケーションの形というか、チャンスというか、そういうところを提供できていると思う。
われわれが培ったノウハウを共有させていただいて、会を盛り上げるようなソリューションを提供できるようなことを考えている

好評の理由は?

内田嶺衣奈キャスター:
松江さんの会社でもオンライン飲み会向けのケータリングサービスを利用する機会があったんですよね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
そうです。
リモートワークがだいぶ広がってきますと、リアルに会話する機会が少ないので、そういったコミュニケーションを取る場面を作ろうということで試してみているのですが、実際やってみますと個人でコストを負担する必要もありませんし、ちょっとした非日常体験を結構充実できるということで意外と好評です。

内田嶺衣奈キャスター:
こういった取り組みビジネスの目線で見るといかがですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
今までは実際会社の懇親会というと、リアルの場で全員が集まる、こんな発想がありました。
かたやオンライン飲み会というと、カジュアルに個人でつながる。
こういったところがだいぶ定着していて、今回の試みはちょうどその中間のところですね、オンラインではあるけど、多少フォーマルで少しカジュアルにいろいろ楽しめる。
今までリアルでは参加できなかった人も深く関われる。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
こういった新しい場面を作ったところに新しい重要なポイントがあるのではないか。
面白い試みだなと思いますね。

内田嶺衣奈キャスター:
まさに今ならではのサービスですよね。
感染拡大によって私たちの日常でできなくなったこともたくさんありますが、そんな中でもできることに目を向けたビジネスです。

(「Live News α」 2月5日放送分)