帝国ホテルの1カ月36万円宿泊プラン

2月、日本を代表する東京の高級ホテル「帝国ホテル」が1カ月36万円で泊まれるという定額プランを発表。

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フィットネスやプールも利用できて、1泊あたり1万2000円。

SNSでは「帝国ホテルでこの価格は魅力でしかない」「凄いサービス始めたな」などと話題となり、36万円という価格にも関わらず予約開始から2日間で全プランが完売してしまったという。

さらに都内で1泊2800円で暮らせるホテルや、大浴場付きで名物ラーメンが無料で楽しめるホテルなど、長期滞在がお得になるホテルを続々発見。

グリッズ東京浅草橋ホテル&ホステル・浅沼晃輔支配人:
コロナ禍において長期プランを用意いたしました。通常だと考えられない安価なプランになっております

中には家族や大切な人を守るために自宅を離れホテル暮らしを選ぶという人もいるようだ。

1泊2800円格安ホテルの暮らし

そこで今回のココ調は「コロナ禍のホテル暮らし どんな生活している?」のか調べた。

まず向かったのは東京・台東区にある「グリッズ東京浅草橋ホテル&ホステル」。

ココ調スタッフ:
こちらのホテルフロントの隣にカフェが広がっています

2017年にオープンしたグリッズ東京浅草橋は最寄りのJR浅草橋駅から徒歩3分、秋葉原駅から徒歩9分と交通至便な立地。

部屋には寝具が2つ並び冷蔵庫やテレビ、シャワーやトイレが個室内に完備されている。

共用スペースには電子レンジに冷蔵庫、さらに夕方からはカフェのキッチンも使えるそう。

ここでホテル住まいをしている人に話を聞くと…

吉田柾長さん:
月8万円くらいでホテル暮らししています

コロナ禍の去年8月からホテル暮らしを続けているという27歳独身の吉田さん。

朝食なし、掃除・ベッドメイキングは3日に1度だが、料金は8万円(28泊・税込み)、1泊あたりだと約2800円と格安だ。2月10日からこのホテルで暮らしているという。

吉田柾長さん:
元々シェアハウスに住んでいたんですけれど、僕が仕事柄結構人と会うことが多くて、仲間にリスクを背負わせたくないなというところがあって僕だけでもホテルに行ってみようかなと…

コロナ禍でも人と会う機会が多かったため、シェアハウスを出る事を決意。

しかし、ホテルで暮らすとなるとお金がかかりそうだが…

吉田柾長さん:
普通の暮らしより、むしろ安いんじゃないかなと思います

ホテル暮らしは家具家電、インテリア、さらに光熱費やネット回線の料金もかからない。

このホテル周辺の家賃相場はワンルームで月額9万600円ほど、確かにお得に見える。

さらにこのホテルでは…

吉田柾長さん:
(1階カフェの)こちらのスペースでよく仕事しています。ここは宿泊者が無料で使えるスペースなので…

1階のカフェをコワーキングスペースとして開放していて宿泊者は無料でつかえるので、このホテルを選んだという。

お得で快適に過ごせるホテル暮らしだが、こんなデメリットもあるという。

吉田柾長さん:
(部屋に収納スペースないので)手元に置いておけるモノが限られてしまう…

確かに吉田さんの荷物は服、パソコン、リュック、そしてスーツケース、これだけしかない。

他の荷物はアプリでかんたんに管理できる外部倉庫サービスを利用している、利用料はダンボール8個分で月2000円くらいかかっているという。

家族の為に1週間ホテル生活

さらにSNSでこんな方も発見。

「今日から1週間くらいホテル生活。万が一コロナに感染していて家族にうつすのが怖いので自主隔離です」と投稿されていた。

投稿した本人に話を聞いてみると…

大学3年生:
家族の命を守るためにホテル暮らしを決めました…

普段は両親と北海道で暮らす大学3年生。

自宅から30キロほど離れた「KOKO HOTEL札幌駅前」で5泊6日で1万3500円(税込み)のプランで生活しているという。なんと1泊あたり2700円と格安だ。

大学3年生:
就職活動がこの先活発になって関東の企業さんに赴く場合は、またホテル暮らしをしようかなと思っています

そこまで感染防止を徹底する理由とは…

大学3年生:
同居しているのは両親だけなんですけれども祖父母と会うことが多いので、高齢の祖父母にうつすっていう事に対して危険性を感じているので…

お母さんは、そこまでするのかと驚いたそうだが、同時に息子が家族のことをよく考えてくれて嬉しかったという。

賃貸物件からホテルの長期滞在プランで生活

続いては2020年7月にオープンしたJR田町駅徒歩5分、静鉄ホテルプレジオ東京田町。

ここで暮らす男性に話を聞くと…

男性:
2月1日からいますね。月に10万8000円くらいですね

去年10月からいろいろなホテルで暮らしているという30歳独身の会社員の男性。

賃貸物件での生活をやめてコロナ禍でお得な長期プランを活用しているという。現在の宿泊費は1カ月10万8000円(税込み)。

一体ホテルでどのように過ごしているのか?

朝8時ごろ起床し、午前10時から夜7時ごろまで部屋やラウンジでリモートワーク。

ホテル選びのポイントは…

男性:
ホテルの部屋にズボンプレッサーがついていたりするんでそういうのがでかいですね

リモートでも気持ちがだらけないようピシッとした服装を着たいので、ズボンプレッサーを重視。

さらに施設内にランドリーがあれば、外で洗濯する必要がなくなるため必須条件だったそう。

食事はどうしているのか尋ねると…取り出したのはパックご飯。

男性:
これ玄米、いつもコレですね

外で買ってきた玄米のパックご飯を電子レンジで温め、納豆をかけて食べる。そしてプロテインが本人にとってはごちそうなのだそうで、ほぼ毎日これで済ませるという。

そんなホテル暮らしの一番のメリットは?

男性:
初期費用がかからない、いろんな所に住めるのでそれが中々楽しい

気軽に居住地を変えることができるのもホテル暮らしの最大のメリットだそう。

実家のある福島には帰れない日が続いている。母親とのコミュニケーションはスマホを使ってのビデオ通話だという。

男性:
今年は畑仕事大丈夫なの?忙しくなったとき…

母親:
忙しいとき来てくれるの?

男性:
さすがにこのご時世だからね…

母親:
はやく落ち着いてくれるとね、安心できるのにね

コロナ禍で始まったホテルのサービスが新たな生活スタイルを生んでいた。

三宅正治キャスター
確かに(旅行や出張などの)短期滞在というのは激減していますからね。ホテル業界も厳しいですから、そういう意味ではこういったプランというのはホテル側にとってもプラスなんでしょうね?

横山ルリカ リポーター
そうですね。ホテルによっては5割から7割が、ホテル暮らしの長期滞在者というところもあったんですよ。予約の時期だったりサイトによっても料金が変わってきますので、気になる方はチェックしてみてください

(「めざましテレビ」2月17日放送分より)