「ひもが邪魔にならない」快適マスク

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外出の自粛が求められる中、たまにはヘアスタイルを整えてすっきりしたい…という人も多いだろうが、ひとつ心配なのが「美容院でもマスクは着けっぱなしでいいの?」という点。

どうしても美容師との距離が近くなる施術中、感染予防のためにはマスクをつけたままでいたいところだが、シャンプー中は耳にかけたひもが濡れてしまったり、カット中はハサミが引っかかってしまったりと、邪魔になってしまうのもよくわかる。

そんな中、プロ向けの美容商材を販売する株式会社ビューティガレージが、ひもを使わず顔に貼って使う「シールマスク」を発売した。

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この「シールマスク」はサロン向けの商品で、頬とあごの3カ所に医療用の両面シールがついており、顔に直接貼り付けることで固定するタイプのマスク。
ひもがないため、カットやヘアカラーなどの際にも邪魔にならず、快適に施術できるというアイテムだ。

編集部では以前、似た形の「顔に貼るマスク」をご紹介した。

(関連記事:美容院での感染不安解消!? 顔に直接「貼るマスク」でつけたままヘアカットOK

こちらの「顔に貼るマスク」について取材した2020年6月の時点では、客からの「外出時にはマスクをつけていたいと思いつつも、美容院での施術中は外した方がいいのか判断に困る…」という声が大きかったことが「貼るマスク」開発に繋がったという話があったが、再びの緊急事態宣言発令など、長引くwithコロナ生活で、やはりこのような「ひもなしマスク」の需要は高まっているのだろうか?

2月1日から発売を開始したという「シールマスク」について、株式会社ビューティガレージにお話を聞いた。

「美容室でのマスク着用はあたりまえ」に変化

――「シールマスク」開発のきっかけは?

コロナ禍の美容室でマスク着用でのカット・カラーが当たり前になる中で、マスクのひもにコットンを巻いたり、マスクのひもを×の形にねじったりと、工夫しながらも良い解決策がなく困っている声がたくさん届いていました。マスクが入手困難な時期に、マスクをヘアカラーで汚してしまいトラブルになってしまうケースもあったそうです。

男性のお客様はマスクをしたままカットをすると、もみあげがきちんとカットされているか心配になる方が多い。マスクをしたままシャンプーをすると、ひもが濡れてしまう……などさまざまな要因があり、ひもがないマスクをつくれないのか、というところから開発に至りました。


――「シールマスク」のコンセプトについて改めて…

「マスクの内側に装着したシールで顔に貼り付ける、ひも無しタイプの使い捨てマスク。」カットやヘアカラーなどの際にマスクのひもが邪魔になりません。ひもが水に濡れないので、シャンプーやヘッドスパにも最適です。
細菌、花粉、ウイルス飛沫を99%カット※する3層フィルターを採用しているので、美容室などの密接する空間でも安心して施術を受けていただけます。
※花粉粒子の捕集(ろ過)効率試験、バクテリアバリア性(BFE)試験、ウイルス飛沫(ろ過)効率(VFE)試験実施。

施術中は耳ひもが邪魔になることも(イメージ)
施術中は耳ひもが邪魔になることも(イメージ)

――「マスクを着けたままでいたい」という客の声は多い?

お客様は美容室でのマスク着用はあたりまえと言う認識の方が多く、コロナ対策をしっかりと行っているサロンを選ぶ方が増えました。サロン側もマスクの着用やアルコール消毒を必須とし、サイトやSNS、店頭のポスターなどにも「対策サロン」と明示することで、安全性をアピールされています。

発売5日間で15万枚超の注文

――こだわった点はどこ?

シールの貼り付ける場所を3点にすることにこだわりました。上部(ほほ)のシール2点をつけたまま、下部(顎)のシール1点をはずすことで、マスクをつけたまま、飲み物を飲むこともできます。何度か付け外ししてもある程度の粘着力を保てて、肌に負担をかけないということを両立するために、医療用両面テープを採用しました。

また、顔とマスクの間に隙間が空いてしまうと、前髪をカットした際に髪の毛が入りやすい為、ノーズフィッターを必ずつけたいと考えていました。結果、通常のひものある不織布マスクと変わらない形状に辿り着きました。毛が入ってしまった場合にも、顎のテープさえ外せば払い落とすことができます!


――これまでの販売数は?

2月1日の発売から5日間で既に15万枚を超えるご注文をいただき、ありがたいことに販売数は伸び続けています。予想をはるかに上回る大きな反響をいただいており、追加生産を急いでいるところです。まだお試し購入が多い印象ですが、既にご導入を決めてくださったサロンも。今後もたくさんの方にお試しいただきたいと思っています!

「シールマスク」の開発の背景には、「美容室でのマスク着用は当然」という客の意識があるというビューティガレージ。

販売からわずか5日で15万枚もの注文があったというが、美容室側も「しっかりと感染対策をしている」ことのアピールが必須になっているということで、やはり客も店側も「施術中に常に着用できて、邪魔にならないマスク」への需要が高まっているようだ。

サロン用にのみ販売中

SNSでは「以前はひも​が邪魔だからと、美容院ではノーマスクが推奨されていたが、貼るタイプのマスクを渡されて助かった」という声のほか、「ひもで耳が痛くなるのが防げそう」「顔の傷がひもに触れると痛いのでありがたい」という声もあり、美容院以外の場所でも需要がありそうなシールマスク。

通常の不織布マスクと同形状でノーズフィッターもあり、上2段・下3段の5段プリーツ構造、大きなピアスやイヤホンをしたままでも煩わしくないため日常使いもできるとしているが、サロン向けの商品ということで、現時点では一般消費者の方への直接販売の予定はないそうだ。ただし、「取り扱いを行っているサロンをご紹介する事は可能です」と話している。


――どのような形でお客さまにつけていただく?

サロンに来たお客様に、マスクを付け替えていただけるように配付します。施術が終わったら元のマスクを着用していただいてもいいですし、見た目の違和感がないので貼ったまま帰ることもできます!(実際に商品開発担当者は日常使いしています。)また、お客様からの希望があれば、サロンでお客様に販売することも可能です。


――実際にサロンで使ってみての反響は?

「通常のマスクと遜色なく、フィット感が良い」「シャンプー、カット、カラーなどの施術にも良い」と、既にたくさんの嬉しいお声をいただきました。なかには、改善点として、「ひげが濃い方は、シールが付きにくい」と言うお声もありました。もし下部(顎)のシールがつかなくても、ノーズフィッターと上部2点のシールで留まっているので外れてしまうことはありません。

ふつうサイズ、やや小さめサイズの2サイズ展開にしたのも、人によって最適なサイズで密着することにこだわったからです。「2サイズ展開がありがたい」というお声もいただいています。

サイズは2展開
サイズは2展開

――withコロナ生活でサロンが取り組んでいくべき対策はどんなものがある?

「ウィズコロナ、ニューノーマルにおける美容サロンの生存戦略」として、5つの対策をご提案しています。

(1)感染リスク対策 … お客様に安心して来店いただくための工夫と努力
(2)顧客との関係性強化 … お客様に信頼されるコミュニケーション施策
(3)店販商品の拡販 … サロンのもう一つの収益源(店頭での商品販売=「店販」)を伸ばす工夫
(4)新しい価値の創造 … 従業員へのオンライン学習の促進や、お客様への新たなアプローチなど、サロンの役割を再検討
(5)コストの削減 … 費用対効果を考慮した経費の見直し

また、先の分からない今後への備えとして、キャッシュの確保の重要性も高まっています。多くの企業が資金繰りに苦慮していますが、たとえ赤字であってもキャッシュさえあれば潰れません。手元の資金を増やす資金調達手段を考えることがサロン経営のカギとなります。

ビューティガレージでは、美容サロンが活用できる助成金や融資に関してなど、常に最新情報をキャッチアップして発信しています。また、サロンからのオンライン相談も受け付けています。



「シールマスク」はふつう・やや小さめの2サイズ、5段プリーツ×3層タイプ 50枚入りで1,650円(税抜・メーカー価格※卸価格はビューティガレージ会員のみ閲覧可能)。ビューティガレージの公式サイトから会員のみ購入できる。

シチュエーションにマッチしたアイデアマスクが登場することで、今後もしばらくの間続くと思われる「withマスク」の生活が、少しでも安心・安全なものに変化していくのかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

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