岩手めんこいテレビでは、岩手・一関市で暮らす双子の姉妹の三浦りんさん・るんさんを5年前から継続取材している。姉のりんさんは、重い障がいがありながらも中学校までは、妹・るんさんとともに普通学校に通った。二十歳を迎えた2人の20年の歩みと母の思いを取材した。

双子の姉は「いなきゃいけない存在」

2023年1月8日、晴れの日を迎えたのは、一関市で暮らす三浦りんさん(20)。

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りんさんの双子の妹・るんさんは、青森県で大学生活を送っている。

同じ日に生まれた2人。姉のりんさんには重い障がいがあった。難治性てんかんの「ウエスト症候群」。
りんさんは同じような障がいがある人を受け入れた前例がないと言われたものの、小学校は普通学校へ。当時、学校にエレベーターはなく、階段での移動は、毎回、母・かおるさんが抱きかかえて対応した。

りんさんの母・かおるさん:
入る時は大変でしたけど、入ってみたら楽しい

中学校も地域の学校へ進学し、学校行事にもみんなと一緒に参加した。地域の学校に通うりんさんを当たり前の存在に近づけたのが、妹のるんさんだ。

りんさんの妹・三浦るんさん(当時18歳):
特別なきょうだい、特別な家族ではなくて(りんさんは)普通にいなきゃいけない存在です。りんちゃんがいなかったら、自分のことしか考えない心乏しい人間だった

りんさんとるんさんは、高校では別々の学校へ進んだ。りんさんは特別支援学校に進学した。重い障がいのため、るんさんや友人たちと同じ道を歩むことはできなかった。

二十歳を迎えた双子から両親へメッセージ

中学校を卒業し、5年の月日が流れた2023年1月8日、一関市で開催された「二十歳のつどい」。三浦さん親子にとってうれしい再会の日となった。

りんさんの友人:
りんちゃんどこかなってすごい探していた。(声が聞こえて)今日も元気に参加してるなと思った

母・かおるさんが、あの日のぼった階段はこの日の笑顔につながっていた。

りんさんの母・かおるさん:
感無量ってこういうことかなと思う。地域で一緒に大きくなった子たちに会えるのを何より目標にしてきたのでうれしい

20年という節目の年に、三浦さん親子は、普段口にすることのない思いを手紙の形で伝えていた。

りんさんの妹・三浦るんさん:
パパとママのたっぷりの愛を受けとって、しっかり二十歳になりました。これからもよろしくお願いします。三浦家に生まれてきてよかった

りんさんの母・かおるさん:
双子で生まれたりんとるん。いつもおそろいのお洋服がかわいかった。ぷくぷくほっぺがかわいいりんちゃん。笑顔でいつも歌っているるんちゃん。2人一緒に大きくなっていく子育ては大変だったけど楽しくもあり、この20年間は喜びいっぱいの日々でした。二十歳になるりんちゃん・るんちゃんへ、双子で生まれてくれてありがとう

りんさんの母・かおるさん:
りんちゃん、きれいだよ。大きくなってくれて、ありがとう。るんちゃんも、おめでとう。頑張ってね

(岩手めんこいテレビ)

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