元慰安婦判決に「困惑」

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、日本政府に賠償を命じた元慰安婦による訴訟の判決について、「困惑した」と述べた。

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文大統領は新年の記者会見で、「(日韓の懸案について)外交的努力をしている最中に慰安婦判決が加わり、率直に言って困惑している」と述べ、「解決策を見いだせるよう、日本と協議していく」としている。

また、いわゆる徴用工の問題について、日本企業の資産現金化は「両国関係において望ましいと思わない」と述べた。

原告が同意するという条件付きで外交的な解決策を求めるとしているが、具体的な解決策には触れなかった。

打開には言葉だけでなく「行動」を

三田友梨佳キャスター:
哲学者で津田塾大学教授の萱野稔人さんに聞きます。
文在寅大統領の発言をどうご覧になりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
これまでの文大統領の発言と比べると大きな転換だと思います。

これまでは、例えば徴用工問題で日韓関係の土台を覆すような判決が出たときも、三権分立を盾にして政治は司法に介入できない、司法判断を尊重するという姿勢を繰り返し表明してきました。

さらに慰安婦問題に関しても、2015年の日韓両政府の最終的にこの問題を解決するんだといった合意に関して、事実上白紙化する手続きを進めてきて、今回の慰安婦判決が出るような環境整備を事実上してきたとも言えます。

そうした姿勢を一転して、今回の発言は日本との外交的な解決を優先するといった姿勢を初めて見せたということだと思います。

三田キャスター:
なぜ日本への外交姿勢を一転させたのでしょうか?

萱野教授:
一言で言うと外交上の見通しが外れて行き詰まってしまったというのが大きな理由だと思います。

韓国側の動きは国際的に見ても、非常に常軌を逸していたということもあり、日本政府側は態度を硬化させました。

もともと文在寅政権は、反日ナショナリズムをバネにして朝鮮半島を統一しようというビジョンを持っていましたが、北朝鮮からも冷たい態度を取られて、完全に行き詰まってしまったと言えると思います。

三田キャスター:
日本と韓国の関係の真の改善のためには韓国に何を望みますか?

萱野教授:
文政権がこの状況を打開したければ、言葉だけでなく、行動で示すべきだと思います。

その場合重要なのは、1965年の日韓請求権協定によって韓国国民の個人賠償については完全に韓国政府が対応すべき国内問題になったと韓国政府が明確に認めて、それに基づいて行動をとることです。

それがなされない限り、この問題に関して韓国政府を信頼することは到底出来ないと思います。

三田キャスター:
これは日韓の外交問題ではなくて、韓国政府が国内の問題として向き合って原告と日本政府が納得できる具体的な行動を示すことが求められているように思います。

(「Live News α」1月18日放送分)

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