自民・岸田氏らがコロナ対応で経営難の医療機関へ支援の迅速化や延長を求める

自民党の岸田文雄前政調会長が代表を務める党内の勉強会「コロナ病院倒産阻止勉強会」は12月8日、田村厚生労働相に「コロナ病院倒産・医療逼迫の阻止へ」と題した提言を手渡した。

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新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れ続ける医療機関においては、一般外来の減少による経営の悪化と、それに伴う医療従事者への給与・賞与の減少等の待遇の悪化がこれまでも問題視されてきた。

こうした状況を踏まえ提言では、苦しい経営状況にある医療機関に対する「倒産危機を免れる水準までの十分な支援」の必要性を指摘した。

具体的には、医療現場支援を目的とした緊急包括支援交付金に関して「目詰まりを解消し、速やかに交付する」ことや、感染拡大の長期化を想定し新型コロナ患者が使用できるように予め空き病床を確保する際の「空床確保料をはじめとする支援」の令和3年度の継続などを求めている。

また、こうした医療機関への財政的な支援の必要性に加えて、規模の大きな医療機関に症状の重い患者を集中させることで「医療体制が目詰まりなく体系的に連携し機能を発揮しなければならない」ことなどを指摘している。

提言を受け取った田村厚労相は「(国と地方の)ホットラインを設けて関係者に説明をするなどすでに始めている」として、政府としても問題解決に向け動き始めていると応じたという。勉強会代表の岸田氏は、「様々な支援がしっかりと支給されたならば、それによって(医療機関の)赤字を止められることがたくさんある」と政府の対応へ期待感を示した。

「冬のボーナスも十分貰えないならもう辞めます」現場からの生の声と倒産の危機再び

「今月は冬のボーナス月です。夏にもボーナスがカットされて、今回も十分貰えない。こんなに頑張っているのにそういう処遇であるならもう(病院を)辞めますというような声が全国から挙がっています」

こうした医療従事者の生の声を代弁するのは、勉強会事務局として今回の提言を取りまとめた国光文乃衆院議員だ。自らも医師の資格を持つ国光氏は、新型コロナ対応で一番大切なことは「コロナで命を落とさないこと」だと強調したうえで、「重点医療機関と言われ、中度や重度の患者さんを入院させる病院があります。ここがしっかりしていないと結局助かる命も助けることができない」と指摘する。

そして、様々ある医療機関の中でも“重点医療機関”と呼ばれ特に症状の重い患者の対応にあたる医療機関への支援の重要性を訴えるとともに、倒産という最悪の事態もあり得るとの危機感を示し、次のように語った。

「医療機関では患者さんの数が第1波の後にかなり減りました。それがだんだん戻ってきて前年に比べて8割9割です。100%じゃないんです。そしてこうしたところに第3波がボンときたわけです。第1波で騒がれていた病院が潰れるという話がまたぶり返してきている」

重点医療機関への十分な支援でコロナ患者の受診拒否回避を

さらに国光氏は、日本の医療機関が今後たどる最悪のケースの1つとして、医療機関によるコロナ患者の受け入れ拒否という可能性を指摘した。

「一か月前まではコロナ患者を看てくれていた病院が、スタッフはやめるし経営的にも厳しいのでコロナ患者は看ませんと。普通の一般の診療だけやりますと断りだす。こうした事態になると、コロナから救える命が救えなくなる」

そして、こうした事態を回避するためにも「命を救うべき病院がきちんと立っていられる、そういう体制を予算的にもシステム的にも支援するということをしっかりやりたい」と語気を強めた。

東京都などの大都市圏を中心に今冬の感染拡大が顕著となる中、誰もが新型コロナウイルスに感染し患者となり得る。政府が医療機関を支援すると同時に、国民1人1人が手洗いやうがい、三密の回避といった基本的な感染症対策を徹底することも、医療機関の負担を軽減することに繋がるのは間違いない。

(フジテレビ政治部 福井慶仁)