年末になると年賀状を準備する人が増えてくるが、筆ペンを使用する人もいるだろう。
そんな今、知っておくと便利な投稿がTwitterで話題を集めている。

それがこちら。

12月は1年で最も筆ペンが売れるシーズン。でも、新しい筆ペンをご購入される前に、引き出しに眠ってるちょっと古くなったぺんてる筆をチェックしてみて!
ナイロン毛の「ぺんてる筆」なら、60~80℃のお湯に浸せば、ほ~ら元通り!

投稿したのは、文具メーカーぺんてる株式会社の公式Twitterぺぺ【ぺんてる公式】(@pentel_pepe)。

コメントとともに、使い込んで筆先にまとまりがなくなっていた「ぺんてる筆」を、お湯に浸すと、新品のような綺麗な筆先に変わっているビフォーアフターの写真が掲載されている。
 

提供:ぺんてる株式会社
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また、この方法は同じナイロン毛で、水を入れて使用するぺんてるの筆ペン「水筆」でも同様に元通りになるということだ。

提供:ぺんてる株式会社
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この投稿には「ぺんてるの筆ペンまだ買ったことなかったからこの機会に買って使ってみるね!」「黙っていれば、新しく売れるものを…。」「こうなったら捨ててたわ~」と反響があり、1万1000いいねを集めている。(12月10日時点)

確かに、黙っていれば新しい商品を買ってもらえるはずなのに、自社の筆ペンを再生させる方法を投稿したことは気になる。なぜ元に戻す方法を教えてくれるのか、その心意気についてぺんてる株式会社に話を聞いた。

困りごとを解決することがメーカーの使命

ーーこの時期に投稿したのはなぜ?

12月に入り、そろそろ新年の年賀状を準備されるシーズンです。
年賀状に向けて新しい筆ペンを購入される前に、是非一度ご自宅に眠っている筆ペンにて試していただきたかったためです。


ーー年末は「ぺんてる筆」が売れるって本当?

出荷のデータ上では、9〜12月が年間の半分を占めております。


ーーどうして元に戻す方法を教えてくれるの?

一見もう使えなさそうに見える製品でも、少し手直ししますとまだまだ使用できる製品でございます。
お客様の困りごとを、製品をご購入いただくこと以外でも解決させていただくのがメーカーの使命かと存じますので、このような筆ペン復活方法のご紹介をさせていただきました。

提供:ぺんてる株式会社
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ーーなぜ60~80℃のお湯で元に戻るの?

インキのかすれや穂先割れの原因は、穂先の乾燥にあります。お湯につけることで、乾燥した穂先のインキを溶かし、穂先の乾燥を解消しています。
ただ、長期間保管するとインキ中の「水分」が蒸発し、書けなくなった場合には、元通りにはなりませんので、ご注意ください。

提供:ぺんてる株式会社
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実は発売当初から知られている方法

ーー元に戻す方法は昔からあったの?

社内ではおそらく発売当初から知られていた方法です。実はぺんてる筆のパッケージの裏面にも記載されていたり、ここ数年ツイッターアカウントでも毎年投稿している内容でございます。

提供:ぺんてる株式会社
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ーー使用中にインクが大量に出ることがあるけど、上手く使用するコツを教えて

不要な紙の上で筆を下向きにして、カートリッジの根元をゆっくり押してインキを穂先に出してください。
十分に試し書きをして、穂先をなじませ、インキを調整してご使用ください。
必要以上にカートリッジを押してインキを出しますと、ボタ落ちする恐れがありますのでご注意ください。


ーー投稿に多くの反響があるけどどう思う?

さっそく試してみたというご報告や、この機会に買って使ってみます、という温かなお言葉をいただくこともあり、こちらこそ、感謝の気持ちでいっぱいです。
こうした情報発信で、ささやかながらお役に立てていれば嬉しいです。

提供:ぺんてる株式会社
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今回話題になった方法は、ぺんてる筆が誕生した1976年から知られていた方法ということだ。
売れる季節に再生方法を投稿し、「お客さまのお困りごとを解決させていただくのがメーカーの使命」とはかっこいい心意気である。

そして担当者は、購入者に対し「品質面でも弊社のこだわりが反映されております製品でございますので、今回の方法をお試しいただき、手に取ってくださったお客様には長く使い続けていただけましたら弊社といたしましても嬉しく存じます。」と語っていた。
 

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

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