鹿児島が誇る芋焼酎の楽しみ方を広げようと、飲食店関係者に向けたセミナーが鹿児島市で開かれた。黒白波をベースにサルサソースとトマトジュースを合わせ、さつま揚げを飾る「桜島メアリー」など、意外性あふれるカクテルが披露された。
「GI薩摩」20周年を記念して初開催
11月5日、鹿児島市のバーで開かれたのは「薩摩焼酎カクテルセミナー」である。県産のさつまいもを使い、県内で製造された焼酎のみに与えられる表示「GI薩摩」の誕生から、2026年で20年を迎えることを記念した催しだ。魅力をもっと広めたいとの思いから、飲食店関係者向けとしては初めて開かれた。
お酒の地理的表示(GI)制度は、地域の共有財産としての「産地名」の適切な使用を促進することを目的としている。平成7年に創設された制度である。

「一番の問題は自分の頭の中」
講師を務めたのは、焼酎をベースにしたカクテルの創作に取り組む福岡のバーテンダー、長友修一さんである。長友さんは、焼酎の飲み方についての思い込みに言及した。
「一番の問題はやっぱり自分の頭の中。焼酎の水割りがおいしい、お湯割りがおいしい、これが一番おいしいという頭がある」
そのうえで、芋焼酎の新たな楽しみ方として複数のカクテルを提案した。

個性豊かな4種類のカクテル
目玉となったのが「桜島メアリー」だ。黒白波(GI薩摩)をベースに、サルサソースやトマトジュースを入れ、仕上げにさつま揚げで飾る。

ほかにも提案されたものがある。
- 「だいやめ(GI薩摩)」にレモンジュースを加え、ブルーキュラソーで鮮やかに仕上げたカクテル
- 「奄美 龍宮(黒糖焼酎)」にアイスココアやミルクを加えたカクテル
こうしたものを含め、合わせて4種類が紹介された。


参加者「こんなカクテルができるんだ」
参加者たちは創意工夫にあふれたカクテル焼酎を楽しみ、今後の焼酎の可能性を探っていた。
参加の動機について、ある参加者は「固定概念が強い鹿児島なのでそれをどう変えていけるか。ヒントがあればいいかなと思い(参加した)」と語った。
別の参加者は、ココアを使ったカクテルに驚いた様子だった。「焼酎もしっかりココアとマッチしていて、とてもいい味だった。『焼酎は焼酎』と私も思っていたけど、焼酎でこんな色々なカクテルができるんだと一番感じた」と話している。
課題は「GI薩摩」の認知度
イベントを主催した熊本国税局の大寺貴子酒類業調整官は、制定20周年を迎えた「GI薩摩」の現状について課題を挙げた。
「『GI薩摩』が制定されて20周年を迎えた。ただ認知度が低い部分がとてもネックになっている。みなさんに『GI薩摩』を知ってもらい、焼酎業界を盛り上げていきたい」

水割りやお湯割りといった定番の飲み方にとどまらず、カクテルという新たな切り口で芋焼酎の魅力を伝える試みである。飲食店関係者がヒントを持ち帰ることで、鹿児島の焼酎を楽しむ場がさらに広がるか、今後の展開が注目される。

