「戻ってこられて、とても嬉しいです」
10月15日、イギリス中部ノッティンガム。メーガン妃は、FNNの「お二人でイギリスに戻ってきて、いかがですか」という問いかけに、笑顔でこう答えた。

ヘンリー王子夫妻がそろって公の活動に臨むのは、8月にアメリカからイギリスに戻って以降、初めて。
訪問先の若者支援施設の周辺には、夫妻を待つ人たちや、大勢の報道陣が集まっていた。沿道の人たち一人一人と握手を交わし、笑顔で談笑し、記念撮影にも応じる。
その姿は、王室の公務を彷彿とさせた。同時に、少しでも悪い印象を持たれまいと、気を張って振る舞っているようにも、私には映った。
父親の疑惑が見方を変えるきっかけに
そんなメーガン妃に、再び世間の視線が集まることになった。
訪問から8日後の23日、父親をめぐる深刻な疑惑を受け、声明を発表したのだ。父トーマス・マークル氏が、子どもへの性的虐待を記録した画像などを所持していた疑いで、フィリピン当局の捜査を受けていることが明らかになったためだ。
発端は、メーガン妃の異母兄による告発だった。父親が以前暮らしていた家で画像などを発見し、通報したという。フィリピン当局は捜査していることを認めているが、マークル氏は疑惑を否定している。

メーガン妃は、FNNに寄せた声明で、こう心境を明かした。
「この24時間で明らかになった報道に、深い衝撃と苦痛を感じています。被害を受けた可能性のある子どもたちに、心を寄せています」
さらに、2018年に父親に関する疑惑を記した手紙がイギリスの警察に届き、自身にも共有され、捜査が行われているとの確約を受けたと説明した。

そして、長年注目されてきた父親との断絶については、次のように述べた。
「長年にわたって一部のメディアが事実をゆがめて報じてきましたが、私が父と距離を置き、私たちの子どもたちとの接触を認めないと決めた理由は、ただ一つ、子どもたちを守るためだったということを、今こそ理解していただければと思います」

父マークル氏を長男アーチー王子や長女リリベット王女に会わせなかったのは、子どもたちを守るためだったと説明した。
「冷たい娘」という見方を問い直す報道も
2018年のロイヤルウェディングに、父親の姿はなかった。当時、父親は健康上の理由で欠席したとされる。その後も関係は修復されず、孫たちとの対面も実現しなかった。
父親と距離を置く姿を、一部のメディアは「冷たい娘」であるかのように描いてきた。
しかし今回、メーガン妃は、以前から父親への疑惑を知らされ、自分の子どもたちを守るために距離を置いていたと説明した。父親への疑惑は捜査中だが、メーガン妃が距離を置いてきた事情に、理解を示す論調も出ている。
「一部だけでも公務を」復帰を願う声
ノッティンガムは、婚約発表後の2人が、初めてそろって公務で訪れたゆかりの街だ。
今回も沿道に駆けつけた女性は、2017年に夫妻を出迎えたときの写真を見せてくれた。
「皆さんが仲直りして、お二人がまた王室の公務を担えるようになってほしいです。一部だけ公務を担う形でもいいんです」
ヘンリー王子も、20日に公開されたアメリカメディアへのインタビューの中で、父チャールズ国王や兄ウィリアム皇太子との関係修復を望む考えを示した。
「うまくいくことを望まない人もいます。私はうまくいってほしいと思っています」
さらに「最も大切なのは和解することです」と強調した。

しかし、この発言にも一部のイギリスメディアは冷やかだった。
イギリス紙サンは、和解への意欲とともに、和解を望まない人がいるとの言葉に注目。兄への批判とも受け取れると報じた。
公務復帰を望む「16%」
夫妻の公務復帰に対する世論も厳しい。調査会社YouGovが9月に行った調査では、将来の公務復帰を望む人は16%にとどまり、望まない人が51%と過半数を占めた。

人々と笑顔で触れ合い、温かく迎えられた夫妻。メーガン妃への見方を問い直す報道も出始めている。ただ、個々の事情への理解が、直ちに公務復帰への支持につながるわけではない。
家族との和解と、公務への復帰も別の問題だ。沿道で聞かれた願いの実現には、なお険しい道のりがある。

