見慣れない番号には出ないように
また、ナンバーディスプレイも活用して、登録していない番号や「非通知」「表示圏外」からの電話には出ないルールを徹底しましょう。
普段国際電話をかける習慣がない家庭であれば、見慣れない海外からの着信には出ないということも有効です。不審な電話を受けたときや被害が疑われるときは、警察相談専用電話「#9110」または消費者ホットライン「188」へ連絡します。
悪質な訪問販売への備えとしては、警備会社を利用する、インターフォン画面やドアスコープで相手を確認する、ドアチェーンをかけたまま対応するなど、ルールを決めるといいでしょう。
このような防犯にまつわる情報を親子で共有するために、定期的に連絡を取り合うのも効果的です。お互いに負担にならないタイミングを決めれば、心配な気持ちも軽減できるでしょう。
ただし、認知症の初期症状があるなど、すでに不安要素がある場合は、金銭の管理について早めに考える必要があります。地域包括支援センターやケアマネジャーとも連携して、防犯対策について話し合っておくといいでしょう。
犯罪を完全に防ぐことは、誰にもできません。大切なのは、「防犯」のために家族関係を壊してしまわないことです。過度な心配で親の生活の質を落としたり、あなた自身が疲弊してしまっては、本末転倒だからです。
本当に必要なのは、親も子も負担にならない防犯対策を考え、お互いが自立した暮らしを続けることです。干渉しすぎず、効果的な仕組みを整える―それこそが、長い目で見た「安心」につながります。
【POINT】
・やること→録音システムや連絡のルーティンなど防犯の「仕組み」をつくる
・やらないこと→過度な心配で家族関係を壊さない
川内 潤
NPO法人となりのかいご代表理事。社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士。著書に『親不孝介護 距離を取るからうまくいく』(共著、日経BP刊)、『親の介護の「やってはいけない」』(青春出版社刊)ほか多数。

