車を手放した後、どう生きる?
【ルール】車を手放した後のスタイルをイメージしておく
知人の父親は免許返納後、なぜ落ち込んでしまったのか。もう一つの側面は、車を手放した後に「どう生きるか」という視点が抜けていたことです。
免許返納に不安を感じるのは、「運転できないこと」そのものではなく、その後の生活が描けていないから。買い物や通院はどうするのか。友人に会う手段はあるのか。趣味や外出の楽しみは残せるのか。
デイサービスの送迎、配食サービス、近所の助けなど、「車の代わりになる選択肢」を、先に調べておきましょう。
「どこへ行くにも車がないと難しい」という地域の切実な問題もあります。利便性の高い場所への引っ越しも一案ですが、実際は住み慣れた地域から離れたくないという人がほとんどです。
車がなくなった後、公共交通機関やタクシー、シルバーカーなどでどこまで対応ができそうか。送迎サービスを行う自治体もありますから、地域包括支援センターに相談しましょう。
免許返納は、いつか通る道です。私たちは誰もが、自分が歳を取って車が運転できなくなったときの生活スタイルを、できるだけイメージしておく必要があると思います。
予習をして、自分自身の心の準備をしておけば、ある程度の落ち込みは防げるはず。そこに、親の尊厳と周囲の安全を両立させる道があるのです。
【POINT】
・やること→返納後の買い物や通院の足をあらかじめ調べておく
・やらないこと→免許証や車を突然取り上げない
川内 潤
NPO法人となりのかいご代表理事。社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士。著書に『親不孝介護 距離を取るからうまくいく』(共著、日経BP刊)、『親の介護の「やってはいけない」』(青春出版社刊)ほか多数。

