地震の後は、不安になって夜眠れなくなってしまう人が少なくありません。
しかし、睡眠研究の第一人者として知られる医学博士・三島和夫さんによると、震災直後の不眠は体の正常な反応で、心配し過ぎるとかえって眠りにくくなってしまうといいます。
「平常時と同じリズムで寝ることにこだわらない」、「昼寝を取り入れる」など、震災後に気持ちよく寝るためのコツや心構えを教えてもらいます。
文=三島和夫
「夜に寝る」にこだわらなくていい
大きな地震のあと、「夜になると目が冴えてしまう」、「小さな物音で何度も目が覚める」という方は少なくありません。
被災地にいなくても、繰り返し流れる映像を見ているうちに眠れなくなる人もいます。
そんなときにぜひ知っておいてほしいのは、「いつも通りの時間に、いつも通りに眠らなくてもいい」ということです。
震災直後の不眠は「体の正常な反応」
阪神・淡路大震災や東日本大震災の直後には、約6割の人が週に数回以上の不眠に悩まされたと報告されています。
寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、ぐっすり眠った感じがしない…。
こうした症状は、決して珍しいものではありません。
大きな危険にさらされると、私たちの脳と体は「いつでも起きて身を守れる」ように警戒モードに切り替わります。眠りが浅くなるのは、危機に対処するための正常な防御反応なのです。
個人差はありますが、不眠は震災後4週間ほど続くこともあり、日によって眠れたり眠れなかったりと波もあります。
それでも多くの方は、自然に眠れる日が少しずつ増え、いつの間にか不眠のことを考えなくなっていきます。過度に心配する必要はありません。
「今夜は眠れるかな?」と考えない
避けたいのは、眠れないことを気にしすぎることです。

