相続税は「知らなかった」では済まされない。
イメージを持つだけで、心に余裕が生まれる
相続の相談を受けていて、依頼者が心配されることの一つが税金についてです。
相続が発生した際にかかる税金として挙げられるのが、相続税となります。
その相続税を払うことになるのは、遺された家族(相続人)です。
親の相続、あるいは、自身の相続に関して、相続税について知っておくことは、安心した老活のために欠かせません。
相続税というのは、すべての人にかかるわけではありません。
しかし、まさか自分たちが対象となるとは想定しておらず、相続が起こり慌てて“税理士の先生を紹介してください”となる方もおられます。
相続税は一部の富裕層だけの話ではない
相続税というと、お金持ちの話だという認識が根底にあります。
確かにその側面はありますが、2025年12月に国税庁が公表したデータによると、24年に相続税の課税対象になった被相続人は死亡者全体(160万5378人)の10.4%に当たる16万6730人となっています。
課税割合が初めて1割を超えました。
まず確認したい「基礎控除額」
自宅に加えて退職金のような預貯金があれば、十分に対象となる可能性があるのです。
その相続税ですが、まずは対象となる遺産が基礎控除額を超えていないかがポイントとなります。
現時点での基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」となっています。
この式は、ぜひとも知っておきたいところです。例えば、父親の相続で、妻と子どもが2人いる場合は、次のようになります。
3000万円+600万円×3(妻と子ども2人の計3人)となり、基礎控除額は4800万円となります。
預貯金、不動産、有価証券など亡くなった人の遺産総額が、明らかに基礎控除額を超えていなければ、相続税は対象外となります。
早めにイメージしておくことが大切
一方で、超えている場合は、相続発生時から10か月以内に税務署への申告納税が必要です。
集める資料や細かい計算方法など自分たちでは難しいと判断した場合は、税理士に依頼することになります。
親や自身の財産が基礎控除額を超える可能性がある場合は、税務署や税理士などの専門家に相談することが賢明です。
相続税の対策を取るにしても、早めに始めることが肝心です。その分、選択肢が広がります。
また、資産状況を把握し、シミュレーションを行うと今後の資金の把握ができてきます。
不動産がどのくらいで評価されるのか、誰がどれだけ負担するのか、現金がどれくらい必要となるのか、など押さえておきたい項目がそれぞれあります。
ざっくり理解しておくだけでも、あなたの心は軽くなるはずです。そして、必要なときに適切な専門家へつながる準備にもなります。
岡 信太郎
人生設計のプロフェッショナル。司法書士(司法書士のぞみ総合事務所代表)、キャリアコンサルタント。北九州出身。
関西学院大学法学部卒業後、司法書士試験に合格し、2012年に独立開業。

