自民党の“航空族”が航空業界の支援策を官房長官へ申し入れ
去年末、中国の武漢市で初めて確認された新型コロナウイルスの脅威は、1年経った今、収まるどころか、日本社会により大きな影響を与えている。政府は、現金給付や各種の助成金、GoToキャンペーンなど様々な対策を打ち出し、国民生活と企業の事業を守ろうとしているが、とりわけ深刻な影響を受けている業界の1つが、航空業界だ。
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日本航空は通期の連結純損益が最大で2700億円の赤字となる見通しを発表、ANAホールディングスも5100億円の赤字となる見通しを明らかにした。その後、両社の社員が家電量販店や自治体に出向するといった対策も話題になった。
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こうした中、自民党の航空政策特別委員会と航空議連は11月26日、加藤官房長官と面会し、「航空・空港関連企業は極めて厳しい経営環境に置かれている」として、航空・空港関連企業とその人材への支援策を提言した。
![航空議連の会長を務める岸田文雄・前政調会長](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/7/700mw/img_678affb950116ab0f6d63e196baf9e6c142809.jpg)
GoTo延長や企業助成金の拡充など手厚い公助を訴える
提言は、航空ネットワークが「国民生活や経済活動を支える基礎的なインフラである」としたうえで、来年の開催を予定する東京オリンピック・パラリンピックや2025年の大坂・関西万博の成功にも航空ネットワークによる輸送力の維持や確保が重要だと強調した。
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そして、各企業の自助努力を前提としながらも、「着陸料や空港使用料といった維持管理コストの減免や航空機燃料税などの納税猶予といった支援措置」「GoToトラベル事業の延長による国内観光の回復政策や出入国規制の段階的緩和など国内線・国際線利用者の需要喚起」「雇用維持支援のため雇用調整助成金の助成率の拡充や支給限度額の引き上げ」などを求めた。
岸田氏「国益にかかわる大変重要な課題である」と危機感を露わに
提言申し入れ後、航空議連の会長を務める岸田文雄・前政調会長と航空政策特別委員会の三ツ矢憲生委員長は揃って報道陣の取材に応じた。
岸田氏は航空業界の救済は「国益にかかわる大変重要な課題である」としたうえで、「専門的な人材が多く企業で抱えられている。いったん雇用を失うということになったならば、回復に時間がかかるなど業界特有の事情もある」と危機感を訴えた。
![航空議連の会長を務める岸田文雄・前政調会長](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/700mw/img_bf920b0256c6353c8577cc0c8a6a2a6f144390.jpg)
また三ツ矢氏も「航空業界のためだけではなくて、地域の経済、国家全体としての経済の活性化にも支障をきたす。日本国としてその対応が問われる」と政府による早急な対応の必要性を強調した。
![航空政策特別委員会の三ツ矢憲生委員長](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/700mw/img_d6657af765d8f0b4d1d6cf0723ce3245176523.jpg)
提言を受けた加藤官房長官は「航空ネットワークの重要性、しっかり理解した上で努力をしたい」と応じ、政府として航空業界支援に前向きに取り組む姿勢が示されたという。
(フジテレビ政治部 福井慶仁)