アメリカ産の生ジャガイモ輸入解禁に向けた手続きが進む中、鹿児島県の塩田知事が「必要な対策を国に要請する」考えを示した。国内第2位のジャガイモ産地である鹿児島県にとって、病害虫の侵入リスクと価格競争の両面で影響が懸念されている。
国内第2位の産地・鹿児島が抱える不安
鹿児島県の2024年のジャガイモ生産量は約8万1700トンで、産出額は約129億円にのぼる。全国第2位の一大産地だけに、輸入解禁の動向は県内農家にとって他人事ではない。

現在、国内で流通している生のジャガイモはすべて国産だ。しかしアメリカは2020年の第一次トランプ政権時代に、日本に対してジャガイモの輸入解禁を要請。国際ルールに基づき、国は手続きを進めてきた。
これまでに3段階ある手続きのうち2つ目が終了し、近く最終工程に移行する見通しとなっている。輸入解禁までにはまだ数年かかるとみられているが、準備の時間は限られている。

「価格」と「病害虫」、二重の脅威
懸念されているのは大きく2点だ。
一つは価格面への影響である。アメリカ産ジャガイモは国産より安くなることが予想されており、輸入が解禁されれば県内農家の経営を直撃する可能性がある。
もう一つは病害虫の侵入リスクだ。外来の病害虫が国内に持ち込まれた場合、国内農業全体への打撃は計り知れない。今後、輸入に際してどのような管理措置を講じるかが焦点となっている。
県議会で質疑、知事が対応策を表明
こうした状況を受け、9月25日の県議会一般質問でこの問題が取り上げられた。
無所属の橋口住眞議員が「米国産、生鮮ジャガイモの輸入解禁に備え、病害虫の侵入リスクに加え、価格や生産継続への影響についてどのように把握し、どのように備えていくか」と問いただした。
これに対し塩田知事は、「万が一輸入が解禁された場合には、しっかりと生産者の意見を聞きながら、必要な対策などを国に要請する必要があると考えている」と述べ、県として積極的に動く姿勢を示した。

地域農業を守るために
輸入解禁が実現するまでには数年の猶予があるとはいえ、鹿児島県の農業にとって準備の重要性は高い。生産者の声を丁寧に拾い上げながら、国への働きかけを強めていくことが求められる局面だ。約129億円の産出額を支える農家たちの生活と、地域経済の安定をどう守るか。県と国の連携が、今後の焦点となる。
【動画で見る▶米国産ジャガイモの輸入解禁手続き進む 鹿児島県知事「解禁されれば国に対策要請へ」 】

