昨シーズンのプレーオフ決勝で涙をのんだ女子ハンドボールチーム、ブルーサクヤ鹿児島が今シーズンの王座奪還に向けて動き出している。新加入3人を含む豊富なポストプレーヤー陣を武器に、チームはかつてない攻撃の多彩さを手に入れつつある。国内最高峰のリーグHは10月に開幕。霧島市を拠点に戦うチームの今シーズンへの意気込みを取材した。
初代女王から準優勝へ、悔しさが原動力に
鹿児島県霧島市を拠点に活動するブルーサクヤ鹿児島は、国内最高峰の女子ハンドボールリーグ「リーグH」において初代女王に輝いたチームだ。どこからでも点が取れるチーム力を武器に、リーグを席巻した。しかし、連覇を懸けて挑んだ昨シーズンはプレーオフ決勝で敗れ、準優勝に終わった。
その悔しさを胸に、キャプテンの笠井千香子選手はこう語る。
「必ずこの借りは返そうと思った」
この言葉がそのまま、チームの合い言葉となった。「王座奪還」を掲げて練習に励む選手たちは、開幕まで約3週間となった今も熾烈なレギュラー争いを繰り広げている。
昨季優勝チームから加入した藤井愛子選手に注目
今シーズンに向けて、ブルーサクヤには新戦力3人が加わった。その中でも注目されるのが藤井愛子選手だ。昨シーズンに優勝した香川のチームで活躍したポストプレーヤーで、攻守に高い能力が求められるポジションとして得点ランキング10位にも入った実力者である。
藤井選手が移籍を決断した理由はシンプルだ。
「もっと上手くなりたいと思ったので移籍を決めた」
自身の持ち味については、「泥くさいプレー、ボールへの執着心は自分の持ち味で、最後まで諦めない気持ちは絶対に負けていない」と力強く語った。優勝チームから準優勝チームへの移籍という選択には、さらなる成長への強い意志がにじんでいる。
5人のポストプレーヤーが生む「攻撃の幅」
今シーズンのチーム構成で特筆すべき点がある。新加入の3人は全員がポストプレーヤーであり、さらにキャプテンの笠井選手と昨シーズンチーム最多得点を誇る青選手もポストプレーヤーだ。同じポジションに5人が揃うという、一見すると偏りのある編成に見えるが、楠本繁生監督にはねらいがある。
「笠井選手も青選手も身体能力が高く、技術もあるので、ポストに固定するよりはいろんなポジションをさせることで、今回有望な3人の選手が入って攻撃の幅が広がり、チーム力がアップしている」
実践形式の練習では、様々なポジションで選手を入れ替えながら攻撃の精度を高める取り組みが続けられている。特定のポジションに縛られない選手配置によって、相手チームにとって読みにくい攻撃パターンが生まれているのだ。
「楽しみになっている」笠井キャプテンの手応え
練習を重ねる中で、チームとしての完成度は着実に上がっている。笠井キャプテンはその手応えをこう表現した。
「チームとしてできている部分が多くなってきているからこそ、開幕が楽しみになっている。優勝という自分たちが目指している景色に到達できれば」

悔しさを抱えながら臨む今シーズン、チームの雰囲気はすでに前向きだ。準優勝という経験が、選手たちに冷静さと闘志の両方をもたらしているように見える。
初戦は10月12日、地元・霧島市で
ブルーサクヤ鹿児島の今シーズン初戦は10月12日、地元・霧島市の桷志田体育館で行われる。対戦相手は昨シーズン11位の大阪ラヴィッツだ。ホームの地で王座奪還へのスタートを切る一戦は、地元ファンにとっても注目の機会となるだろう。
ポジションにこだわらない豊富な攻撃パターンを武器に、ブルーサクヤは再び頂点を目指す。
【動画で見る▶【ハンドボール・リーグH】ブルーサクヤ鹿児島 シーズン開幕まで3週間 新たな攻撃のカタチで王座奪還へ!】

