後を絶たない特殊詐欺。詐欺の手口は巧妙化していて、そのうちの1つ、警察官を名乗って電話をかけ、『逮捕される』『口座が犯罪に使われている』などと言って不安をあおり、捜査を名目に金をだまし取るいわゆる「ニセ警察詐欺」。
実際にどういうやり取りで金を騙し取ろうとしているのか、ニセ警察詐欺の電話の音声を入手。電話を受けた男性が「思ってた以上に手がこんでいた」と語るその手口とは。
警視庁を名乗る男からの電話「第三者のいない静かな環境を作ってもらう必要がある」
≪実際の音声≫
ーー警視庁を名乗る男
「千葉で起きた事件について(50代男性)さんの名前が浮上して何か関係があるのかと思い連絡した。事件と聞いて何か刑事から連絡が来るような心当たりはないか」
こちらは8月、大分市内に住む50代の男性のスマートフォンにかかってきた通話の音声である。
電話の相手は警視庁の警察官を名乗る男。
ーー警視庁を名乗る男
「事件の内容について説明する以上、第三者のいない静かな環境を作ってもらう必要がある」
男性に1人になるよう指示した上で、千葉県で発生している事件に関与しているなどと話を持ち掛けてきた。

警視庁を名乗る男「20日間勾留を請求する」
ーー警視庁を名乗る男
「千葉県警の方で(50代男性)さんが資金洗浄といった、よく言われるマネーロンダリング、こういった犯罪行為に加担しているのでないかと、そういった容疑がかかって私先ほど連絡をさせてもらった」
男性は心当たりがないことを伝えるが…。
≪実際の音声≫
ーー警視庁を名乗る男
「身分証を持って千葉県警に足を運んでもらいたいというのがまず1点。その際に20日間勾留を請求する。今からこの電話を千葉県警の担当の警部に繋ぎます」
すると、電話が別の男に転送される。

詐欺に気付いていることを伝えると…
「私、千葉県警捜査2課、オノ刑事と申します」
電話に出たのは千葉県警の刑事と名乗る男。男性に対し、今一人でいるのか、長時間、電話ができるのかを執拗に聞いてきた。
そして男性が時間が無いことを伝えると…。
ーー千葉県警名乗る男
「時間ギリギリまでって、そんな後回しにできる話ではない」
高圧的に話してきたところで男性が詐欺に気付いていることを伝えると一方的に電話を切られたという。
「思ってた以上に手がこんでるなと思った。やっぱり卑怯です、本当に」と男性は話す。

県警に聞く「『ニセ警察詐欺』は遠い県の警察を名乗ることが多い」
ここからは、大分県警の安全・安心まちづくり推進室の長畑陽子室長と被害に遭わないためのポイントを見ていく。
今回の電話の音声では、どういったところが不審だったか。長畑室長は次のように語った。
ーー長畑陽子室長
「まず他の県の県警を名乗ること。ニセ警察詐欺の特徴として県外の、しかも遠い県の警察を名乗ることが多いです。地元の警察だと、近くに警察署があったりして確認されやすいということもあります。また、しきりに第三者がいない、静かな場所かどうかと確認しています。今回の電話でも『第三者がいない静かな場所へ』と1人にさせたがっていました。ほかの人に会話を聞かれ詐欺だと発覚するのを恐れての手口です」

犯行に使われた画像を県警が公開
続いて、こちらの画像は8月、大分市内の40代の女性が約4800万円を騙し取られたニセ警察詐欺で送られてきたものである。
警察によると女性の携帯電話に千葉県警を名乗る男から電話があり「あなたは犯罪グループの資金洗浄に関わっていて犯人から金を受け取っている疑いがある」などと言われた。
その後、やり取りを始めると顔写真が並ぶリストのほか、逮捕状の氏名の欄や、キャッシュカードの名義に女性の名前が書かれた画像が送られてきたという。
長畑室長によると警察は携帯などを通してこうした捜査資料を見せることはないという。
ーー長畑陽子室長
「対面で見せることはあるが、まず、警察がSNSで連絡することはないし、逮捕状などの画像を送ることもありません。そして、こちらの画像も同じ事件で送られてきたもので写真が並びリストのように見せている。『詐欺グループを捕まえたら複数人があなたを仲間だと言っている』などと言った上でこうした物を見せることで不安を掻き立ててくる。携帯電話などを通じて捜査資料を見せることは無いと考えて下さい。犯人と話をしたり、画像を見せられると、どうしても不安をあおられ冷静な判断ができなくなってしまう可能性が高くなります。画面にQRコードが出ていますが、現在、全国の警察では過去に詐欺に使われた電話番号からの電話をシャットアウトする機能があるアプリのダウンロードを進めています。無料でダウンロードできますので、是非検討してほしい」


